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2017年

四世ビザに「条件付き賛成」?=本人や関係者に意見聞く=(1)=基本的に前向きな四世世論

萱島さん

 昨年4~8月、CIATE(国外就労者情報援護センター)が当地の三、四世を対象に日本に対する意識調査を行った。10月に発表された結果では、自由記入欄に四世向けの特別在留ビザの解禁を求める意見が多く記入され、さらに回答者の周囲に訪日就労を望む四世が多数いることも分かった。四世ビザが話題になっている折、1985年以来なんと30年を超 ...

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『百年の水流』開発前線編 第三部=リベイラ流域を旅する=外山 脩=(20)

 下りた幕が、また上がる?  昨今、何処へ行っても、その地の文協は精気を失いつつある。事実上、活動を停止しているところも、かなり多い。  それも時の流れ‥‥というのが、大方の観方、諦め方であろう。文協の活動停止は、その地域の日系社会の終りを意味する。  ところが、そうした中で、リベイラ流域の文協の活性化が、異彩を放っている。放ち ...

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『百年の水流』開発前線編 第三部=リベイラ流域を旅する=外山 脩=(19)

ルイスさん

 98㌫の票を獲得した日系市長候補  以下、話の趣きは変わるが。──  2012年10月の統一地方選挙の折、あるムニシピオで、日系の市長候補が98㌫の票を獲得して当選した‥‥と報じられた。筆者は(そういうことが、現実に起こり得るだろうか?)と疑問を抱いたが、見出しだけ読んで本文には目を通さなかった。  ところが、後日、それがカジ ...

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『百年の水流』開発前線編 第三部=リベイラ流域を旅する=外山 脩=(18)

古賀夫妻

 運というもの  リベイラ流域のバナナは、昔から、河川の沿岸で栽培されてきた。上流から運ばれる肥料分で、土が豊饒なためである。  しかも収穫後は岸まで運べば、後は船で輸送できた。しかしながら、しばしば何処かが大雨で氾濫した。  すると、被害を受ける生産者が出、市場への出荷量は減り、市況は上昇した。被害を免れた生産者は儲けた。誰も ...

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『百年の水流』開発前線編 第三部=リベイラ流域を旅する=外山 脩=(17)

フランコさん

 フランコさん  レジストロの郊外でバナナ園を営む大矢フランコさんは、2012年7月、筆者が初めて会った時、80代の半ばであった。  が、毎日、早朝に起床、自分で車を運転して90ヘクタールの農場を見回り、仕事の段取りを35名の労務者に指示、BR116を大型カミニョンが前後を疾走する中、100キロくらいで飛ばして8キロ離れた市街地 ...

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『百年の水流』開発前線編 第三部=リベイラ流域を旅する=外山 脩=(16)

 ファミリア・マガリオ  リベイラ流域では、時代が下ると、植民地や集団地とは関係なく──若しくはそこから脱して──独自に土地を入手して営農する邦人、日系人も、少なからず現れた。  農業界で生き残って活躍した‥‥あるいは活躍しているのは、むしろ、そういう人々である。 以下、筆者が取材できたその事例を数件紹介する。いずれもバナナ作り ...

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『百年の水流』開発前線編 第三部=リベイラ流域を旅する=外山 脩=(15)

 ジュキア線    本稿②で記した様に、リベイラ流域の邦人の開発前線は、移植民会社が造った植民地と自然に生まれた集団地によって、構成されていた。前者については、前項までに概説した。  後者はジュキア線(の駅の周辺)にできた。筆者は、現地を取材したかったが、残念ながらできなかった。ために資料類を参考に、ごく簡単にまとめて ...

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『百年の水流』開発前線編 第三部=リベイラ流域を旅する=外山 脩=(14)

 ただ1家族の残留者                                                       筆者は、海興の植民地づくりは、キロンボが最後であった‥‥と長く思い込んでいた。先に記した様な体たらくからすれば、さらに新設したとは、想定できなかったし、そういう記録も目にしなかったからである。  とこ ...

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『百年の水流』開発前線編 第三部=リベイラ流域を旅する=外山 脩=(13)

ニウセさん(プロジェクトの1つの工事現場で)

 存在感を維持                                  暗い話になってしまったが、2013年1月のセッテ・バーラスは、ごく普通の明るいムニシピオだった。  人口は1万3、600人、日系は戦前の最多期は380家族居ったが、この時点では80家族ということであった。比率が少ない割には、日系の市長が続いていた。 ...

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『百年の水流』開発前線編 第三部=リベイラ流域を旅する=外山 脩=(12)

 森の中の白骨死体(Ⅱ)  2013年1月、筆者は再度のリベイラ流域の旅の途中、セッテ・バーラスで、前項の白骨死体の話を耳にした。そこで、遠藤寅重さんに  「現地へ連れて行って貰えないでしょうか。途中、道は悪く、植民地の跡も森に戻ってしまっていて、車で中に入ることは難しいかもしれませんが、できるだけ近くへ行って感じを掴むだけで結 ...

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