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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に

アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(7)=防犯にも取り組むトメアスー文協

 7月下旬、ベレンからバスで4時間ほどかけてトメアスー移住地のクアトロ・ボッカスに到着した。目印は、トメアスー文化農業振興協会(ACTA、以下文協)の会館前に建立された巨大な鳥居。高さ10メートル、幅8メートルで、90周年事業の目玉の一つとして今年5月に着工、7月19日に完成した。  文協の正面には、南拓を主導した鐘紡の武藤山治 ...

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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(6)=帰化と62年ぶりの祖国

 ピメンタ景気によってトメアスー移住地の人々が豊かになった63年、元さんは帰化した。農場では一時期、常時80人を雇用するほどの隆盛を誇った。  「政治的にも強くなろう」という当時のトメアスー文化協会(現トメアスー文化農業振興協会)の会長、大沼春雄の呼び掛けで、元さんの他にも何人かが帰化した。  同年、トメアスーの日系人から、初め ...

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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(5)=“アマゾンの黒ダイヤ”の奇跡

 「一時期はね、ピメンタを100トン以上採った年が何度かあったんだよ。あの時は凄かったんだ」――カカオやピメンタがあった農場を思い出し、元さんの声の調子が上がった。絶望の淵にいたトメアスー植民地の逆転劇の主役となったのは、“アマゾンの黒ダイヤ”だ。  アカラの植民者たちは、入植当初から米の安価や、営農作物予想の失敗、現地ブラジル ...

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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(4)=強制収容所になったアカラ植民地

 1941年12月7日(ハワイ時間)、米国のハワイ準州オアフ島真珠湾において日本海軍による攻撃が行われ、米国との戦争が始まった。祖国から遠いアカラ植民地だったが、42年1月に対日国交断絶が布告されると、邦人は敵性国人として扱われた。  日本移民たちは家宅捜索を受けた。日本文字の書類及びラジオ等の没収、日本語会話の禁止、3人以上の ...

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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(3)=早すぎた母との死別と結婚

 山田元さんは、13歳の頃から父義一が作った精米所に通い、水車を回していた。精米は年に千俵。細い体だが、「自慢じゃないけど、あの頃は1人で1俵60キロを担いだんだ」。  それを馬車に5~6俵積み、3~4時間かけてトメアスー桟橋まで運ぶのを14~15回繰り返し、船に積む。さらに十数時間かけてベレンまで持って行く。米ぬか、もみ殻は畑 ...

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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(2)=山田家を次々に襲う病魔、事故

 山田元さんは、日に焼けた細い体を杖で支えながら歩く。ゆっくりと歩く足の両膝関節は間が開き、ひどく曲がっている。「足が曲がったのも無理ないんですよ」と元さんは苦笑する。  「赤ん坊の頃、母親が朝から晩まで自分を背に結わえ付けて畑仕事をしたからだそうです。ブラジル人には『ペルナ トルタ(曲がった脚)』って冷やかされましたよ」。誰か ...

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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(1)=唯一の第一回移民、山田元さん

 1929年9月22日、42家族、単身者9人の189人(トメアスー開拓70周年記念史より)がトメアスー移住地(旧アカラ植民地)に入植した。それから90年が経った今年、アマゾン日本人移住90周年祭を控える北伯。数々の苦難に見舞われたアマゾン移民の軌跡が残るその地では、かつての厳しい時代を乗り越えた移住者とその子孫たちが立派に活躍し ...

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