上塚芳郎(よしお)さんに、いつから祖父・司の移民事業に関心を持ったのかと聞くと、「本人の死後だ」という。「祖父が生きていた時は大学生で、あまり関心がなくて。山根一眞さんというジャーナリストがブラジルを知りたいと家に来て、それで自分も興味を持ったんですよね」。 97年に米国のハーバード大学へ留学した際に、秋山桃水さんに会いに、 ...
続きを読む »県連故郷巡りアマゾン=90周年に沸く「緑の天国」
県連故郷巡りアマゾン=90周年に沸く「緑の天国」=(12)=追い続けた“第二の日本”の夢
戦前に第2回高拓生の尾山萬馬の父・良太がジュート(黄麻)の優良種の栽培を成功させ、アマゾン流域の産業創出に貢献した。戦後、同地では労働力となる日本人移民が望まれていた。そこで再び登場するのが、上塚司だ。 「これは私が提供した写真です」。上塚芳郎(よしお)さんは、アマゾン日本人移住90周年記念祭パラー実行委員会が発刊した「アマ ...
続きを読む »県連故郷巡りアマゾン=90周年に沸く「緑の天国」=(11)=アマゾン開拓の父、上塚司の孫
アマゾン日本人移民といえば、最初であるトメアスー移住について語られることが多い。しかしその他にも幾つかのグループがこの流域に入植した。その一つが、「アマゾン開拓の父」の故・上塚司が主導し、1931年にアマゾナス州パリンチンス地方へ入植した「高拓生」である。 その上塚司の孫、上塚芳郎(よしお)さん(67、東京都)は、アマゾン日 ...
続きを読む »県連故郷巡りアマゾン=90周年に沸く「緑の天国」=(10)=非日系生徒が8割の越知学園
14日昼、マンガル・ダス・ガルサス公園で昼食を取る一行とは別に、汎アマゾニア日伯協会の横にあるレストラン「博多」へ向かった。ここでは、90周年式典を直前に控えたアマゾン日本人移住90周年記念祭パラー実行委員会(生田勇治祭典委員長)が、主だった人を迎えて歓迎昼食会を開催していた。 パラー日系商工会議所の山中正二副会頭が実行委員 ...
続きを読む »県連故郷巡りアマゾン=90周年に沸く「緑の天国」=(9)=秋篠宮両殿下も訪れた巨大市場
トメアスーでの90周年式典後、バスで5時間以上かけてベレンのホテル「サグレス」へ戻った。午後9時に近く、一行はホテルのレストランで遅い夕食を取った。 「この方はドイツ語の読み書きができるんですよ」。一緒の机で食事をしていた宮坂夫妻が、兼松プリニオさん(81、二世)のことをそう紹介した。兼松さんは、「ドイツ系の会社で働いていた ...
続きを読む »県連故郷巡りアマゾン=90周年に沸く「緑の天国」=(8)=第1回子孫にとってのトメアスー
トメアスーで行われたアマゾン日本人移住90周年式典には、パラー州各地からもお祝いに駆けつけた。 「彼女は第1回移民の娘なんだ」。故郷巡り一行の隣りに座っていた現地参加組の夫婦に話しかけると、ベネジット・サルマンさんが妻の市原トシ子レジーナさんのことを、第1回移民の市原津南三(つなぞう)さんとしもさんの娘だと紹介してくれた。 ...
続きを読む »県連故郷巡りアマゾン=90周年に沸く「緑の天国」=(7)=51年目の再会果たす同船者
13日午前2時半、部屋の電話が鳴った。この日は午前3時に朝食、午前4時にベレンのホテルを出発し、午前10時からトメアスーで行われるアマゾン日本人移住90周年に参加する予定だ。 当初はトメアスーで1泊する話もあったが、これだけの大人数だと宿を取るのも一苦労。故郷巡りの下見に行った山田康夫団長が「参加者の泊まる宿もバラバラで、バ ...
続きを読む »県連故郷巡りアマゾン=90周年に沸く「緑の天国」=(6)=民謡を通じて結ばれた篠原さん
カスタニャール日伯文化協会では、篠原俊巳さんによる尺八の伴奏で、林節子さんの民謡が響き渡った。ガイドのブラジル人、ダラさんは感動して「なんて綺麗な歌声なの! 本当に素晴らしいわ!」と涙を流していた。会場内は、珍しい民謡の演奏に感じ入るように聴き入った。 そんな会場の盛り上がりに貢献した2人は、実は日本民謡を通して出会って付き ...
続きを読む »県連故郷巡りアマゾン=90周年に沸く「緑の天国」=(5)=戦争を語る井上さん、平田さん
「移住」と言えば、普通は若い頃に船で渡ってきた青年を想像する。だがカスタニャール日伯文化協会で正面に座っていた井上作義さんは、「わしは50歳で移住してきたんだ」と珍しい事情を語りはじめた。 井上さんは、妻と2人の子どもを連れて1980年に飛行機で移住した。「木工所を経営していたけど、持病の喘息が酷く、主治医から『今の仕事では ...
続きを読む »県連故郷巡りアマゾン=90周年に沸く「緑の天国」=(4)=アマゾン初の日本人農園
農産物展示会を見学後、ふるさと巡り一行はカスタニャール日伯文化協会を訪れた。「いらっしゃいませ」とにこやかに出迎えてくれたのは、同文協の婦人部。「1週間かけて買い物して、昨日から準備したんですよ」というお手製の昼食をご馳走になり、地元の人たちと交流した。 奥の席につくと、目の前に座っていたのは展示会でも会った神立守さんと、井 ...
続きを読む »