国策移住地、第一号 日本の対ブラジル移植民事業は――本稿の第三部で記したことだが――最初から試行錯誤を続けた。水野龍のカフェー園移民、青柳郁太郎の植民地移民…と。 その教訓から次に案出されたのが「地権が確実で営農に適した広大な土地を買い、移住地を造る。そこに日本から直接、移民を自営農として送り込む」という方法であった。 移 ...
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『百年の水流』開発前線編 第四部=ドラマの町バストス=外山 脩=(3)
悲しき習性 地域の日系住民が――自分たちが狙われていることは判っているのに――団結して強盗に対する自衛策をとらない…という摩訶不思議な現象は、バストスに限らず何処でも起きた…あるいは起きていることである。例外を耳にしたことはあるが、数は少ない。 何故そうなのか? 2012年バストス滞在中、農村協会会長の古賀ウエリントンさんに ...
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バストスで起きた強盗事件は、例えば次の様な具合だった。 ━━日本(出稼ぎ)から帰ってくると、翌日には強盗が、その家にやってくる。 強盗に殴られたショックで、入れ歯を呑み込んでしまい、死んだ人もいた。 強盗に暴行され、大怪我をし入院した老人もいた。筆者が、バストス産組で既述の取材中、高木さんがその話をし「この方がそうだ」と傍 ...
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強盗の首領を一発で… 「…2年ほど前のことだ。日系のモッソが強盗の首領を一発で斃した。 その日の夜明け前、ある農家を4人組の強盗が襲った。そこの息子サトシが父親と早朝、母屋の前に在る牛舎へ乳搾りに行った。 すると、牛の陰から4人の男がヌッと現れた。拳銃で二人を脅しながら母屋に押し入った、ママイの首に銃とファッコンを交互に突き ...
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