連載
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ブラジル文学に登場する日系人像を探る 9=ベルナルド・カルバーリョ=『陽はサンパウロに沈む』=中田みちよ=(2)=難解なカフカ的日系世界
ニッケイ新聞 2013年7月26日 その精養軒でどんな議論をしていたのかというと、『・・・ナチズムを体験しなければ、世界はカフカを決して理解することも認識することもできなかっただろう。あるいはウイリ
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(38)
ニッケイ新聞 2013年7月5日 戦勝派史観 一方、勝ち組の説も、便宜上、ここでは仮に戦勝派史観と名づける。が、やはり整理された形で存在するわけではない。以下は、勝ち組が買いた文章や彼らから聞いた
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(52)
ニッケイ新聞 2013年7月26日 なお、詰問組の中には、日高徳一もいた。その日高によれば、60年以上も昔のことであり、細かいことは思い出せぬようであったが、こう語る。 「我々7人が留置された時に
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(39)
ニッケイ新聞 2013年7月6日 戦勝派史観は、さらに次の様に言う。 「襲撃事件は、実行者たちの独自の行動であり、臣道連盟が組織的・計画的に行ったものではない。しかるに、ハイセン(敗戦派)の密告に
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ブラジル文学に登場する日系人像を探る 9=ベルナルド・カルバーリョ=『陽はサンパウロに沈む』=中田みちよ=(3)=デカセギの日本は地獄か
ニッケイ新聞 2013年7月27日 なぜ、ミシマが出てくるのか、その必然性に悩みながら、作者をルポライターとして捉えると分かりやすくなります。フォーリャ・デ・サンパウロ紙で文芸欄を担当したり、パリや
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(40)
ニッケイ新聞 2013年7月9日 普通の受信機で聴けたということは、発信地が国内、多分サンパウロ州内であったのであろう。送波者は日本人であった筈である。 ここで、ラジオ放送など出来る技術の持ち主が
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(53)
ニッケイ新聞 2013年7月27日 同時期、キンターナの西隣のツッパンでも、山下、日高が北村新平という仲間と、押岩たちと全く同じ動機で、決起しようとしていた。 北村(26)は果物の行商をしており、
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(41)
ニッケイ新聞 2013年7月11日 言われて改めて思い出したのだが、当時の邦人は、終戦の日までは、誰もが日本の勝利を信じていた。戦況の悪さに気づいていた人も奇跡が起こるのを祈っていた。そういう意味で
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ブラジル文学に登場する日系人像を探る 9=ベルナルド・カルバーリョ=『陽はサンパウロに沈む』=中田みちよ=(4)=作者の私生活の反映か
ニッケイ新聞 2013年7月30日 物語が過去と現在を行ったり来たりしながら進行するのはベルナルドの得意とする技だそうですが、一字一句に注意しながら読まないと迷路に入ったような気分になります。文体に
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(42)
ニッケイ新聞 2013年7月12日 本稿の初めの方で詳しく記した様に、邦人の殆どは、明治以来の日本型ナショナリズムに基づく国民教育、社会教育を受けて成長した人々であった。ブラジルに渡ってからは、日本