連載
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(32)
後 者は、ブラジルに居って、志願あるいは召集により、イタリア戦線へ出征した日系兵士たちである。もっともイタリアは降伏した後で、戦った相手はドイツ軍であった。1944年から45年にかけてのことである。
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日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇前史編◇ (3)=知られざる青柳の前歴=富豪の息子で米国留学へ
ニッケイ新聞 2013年6月26日 青柳郁太郎とはどんな素性の人物なのか——。 《ブラジルに対する集団移民の端緒は、笠戸丸を率いた、水野龍氏によって開かれたが、植民の端緒は青柳郁太郎氏によって、口
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(31)
興道社は未だ設立されていなかった。 襲撃事件は多く起こったが、詳細は不明である。興道社の結社員の残した小冊子には「被害者は殆ど警察沙汰にはしなかった。利敵産業を営む後ろめたさによる」とある。 サ
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日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇前史編◇ (2)=「ブラジルのナイル河選民」=不便な遠隔地を文明化
ニッケイ新聞 2013年6月25日 《リベイラ渓谷はブラジルのナイル河と言われているが、一九五三年八月十八、九両日、レジストロ入植四十周年記念祭が挙行された。日本人移住者が、ブラジルのナイル河流域の
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日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇前史編◇ (1)=世界一の米処に〃日本村〃=金属版に込められた想い
ニッケイ新聞 2013年6月22日 105周年を迎えた日本移民史の中で、〃最初〃という枕詞をつけてひたすら繰り返された「笠戸丸」、その船を運行した皇国植民会社の水野龍の存在には突出したものがある。だ
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ユタ——混交する神々=移民社会の精神世界=(6)=県系人の不思議な体験談=OKINAWA文化遺産
ニッケイ新聞 2013年6月15日 協力者探しは難航したが、幸いにもユタと会った体験を語ってもよいという人物に出会えた。沖縄系二世の男性Aさん(85)だ。 3月中旬、本紙ビル地下にあった喫茶店で待
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ユタ——混交する神々=移民社会の精神世界=(5)=ユタは事実か迷信か=偏見に晒されてきた信仰
ニッケイ新聞 2013年6月14日 「医者半分、ユタ半分」という諺が沖縄にはある。この諺は、ユタがどれだけ地域に根ざし、人々から頼られる存在であったかを示している。 その一方で、古くからユタを脅威
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ユタ——混交する神々=移民社会の精神世界=(4)=沖縄の伝統を伝えよう=センターは疑問解決の場
ニッケイ新聞 2013年6月13日 礼拝後の静かな控え室。小さな一室の両側の壁には、精神世界の書籍が所狭しと並んでいる。 窓際に置かれた椅子に腰掛けると、エレナさんは「死んだばかりの霊は、肉体のコ
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ユタ——混交する神々=移民社会の精神世界=(3)=異国の信仰と共存する=心霊主義と祖先崇拝
ニッケイ新聞 2013年6月12日 「ユタ」と呼ばれるようになるには、口寄せ、ハンジ、法要の3つをこなすことが必要で、「私もそこまでには達していない」とエレナさんは語る。男性の場合は「ユタ」とは言わ
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(20)
岸本昂一の知人の山口家は、印刷業を営んでいたが、ある夜、刑事たちがピストルを手に、家宅捜索にやってきた。主人は外出中、子供は不意の闖入(ちんにゅう)者に怯(おび)え、母親に小さい身体を摺(す)り寄せ