連載
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ユタ——混交する神々=移民社会の精神世界=(2)=ブラジルの心霊所で巫女に=「神がかり」は通過点
ニッケイ新聞 2013年6月11日 「母は幼い頃から霊をよく見ていた」。生まれながらに高い霊力を持ち合わせた人を沖縄では「サーダカウマリ」(性高生まれ)と呼ぶ。協会の創始者ノブコさんもその一人だった
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ユタ——混交する神々=移民社会の精神世界=(1)=サンパウロ市内の心霊協会の中で=手を合わせ祈る県系人
ニッケイ新聞 2013年6月8日 正面の祭壇には蝋燭の光に照らされたノッサ・セニョーラ・アパレシーダ(ブラジルのカトリック守護神)の小さな聖像を中心に、その左右にはキリストの十字架像、日本の観音(仏
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森和弘の秘められた過去=勝ち負け抗争と二世心理=(5)=銃を携帯した高校時代=武装した負け組の報復
ニッケイ新聞 2013年6月5日 『移民八十年史』(170頁)によれば襲撃者名は「不明」で、和弘も取材時に「おそらく他の町から来たモノに違いない」と推測した。でも『コラソンイス・スージョス』(201
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(13)
ニッケイ新聞 2013年5月30日 当時、永住・同化を唱えた文化人は、他に古野菊生、半田知雄らが居たが、古野も戦後、帰国している。古野が、帰国の折、その〃後ろめたさ〃の様な心境を、正直に邦字新聞の紙
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森和弘の秘められた過去=勝ち負け抗争と二世心理=(3)=血塗られた魔の7月=今も言葉にならない想い
ニッケイ新聞 2013年5月30日 和弘の悪い予感は、その通りになった。46年7月13日付けジアリオ・デ・サンパウロ紙によれば、父ゴイチがビラッキで経営していたバールは、当時ブラジル人客でいっぱいだ
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(12)
ニッケイ新聞 2013年5月29日 愕然(がくぜん)としたのが邦人社会である。当時の邦人は、ほとんどが農業に従事していた。14歳以上になれば、農家では欠かせぬ労働力であり、学校に通わせる余裕などなか
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森和弘の秘められた過去=勝ち負け抗争と二世心理=(2)=日本に帰る計画白紙に=「立派なブラジル人になれ!」
ニッケイ新聞 2013年5月29日 「朕深ク世界ノ大勢ト帝國ノ現状トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ收拾セムト欲シ茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク——」。玉音放送は日本時間の1945年8月15日正午からだった。
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(11)
ニッケイ新聞 2013年5月28日 追討ち 排日法成立から3年後の1937年、邦人社会に追討ちがかかった。 独裁権を握った大統領ゼッツリオ・バルガスが、ナショナリズム色濃厚な新政策を打ち出し、そ
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森和弘の秘められた過去=勝ち負け抗争と二世心理=(1)=二人の父を銃弾で失う=「戦争終われば日本に帰る」
ニッケイ新聞 2013年5月28日 「私はこの経験を、ほとんど話したことがない」——副市長を3期も務めた外科医、森和弘(83、二世)はそう前置きすると、静かに、しかし臆することなく語り始めた。「スザ
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ブラジル文学に登場する日系人像を探る 7…東洋街生まれの「フジエ」…中田 みちよ=第5回=ブラジル人描く妖艶な日系女性
ニッケイ新聞 2013年5月25日 「しかし、俺の悪魔は彼女の腕や臀部にぴったり張り付く。うまくいえない。つややかな髪になげた視線を全身に這わせる。欲望する。夢想する。フジエの瞳、フジエの唇、フジエ