連載
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人生の幕引の前に=日本政府に向け真情を吐露した米国在住老人=(6)=藁葺きの農家、今はなく=亡き両親をしのぶ
9月4日(土) 朝早く、鳥達の賑やかなさえずりで目を覚ました。 珍しく、金田氏はまだ床の中に居たが「目が覚めましたか」と声を掛けて、起きあがって、窓のカーテンを開けた。 「朝食は遅くに頼みました
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人生の幕引の前に=日本政府に向け真情を吐露した米国在住老人=(5)=自身の髪を弟の遺髪の壺へ=僧侶に永代供養を依頼
9月3日(金) 鈴木氏は、別れの時に、電文用紙とオルゴールを金田氏に渡すと、金田氏の手を握り締め、「私の心の荷が少し軽くなりました。生き残った私が出来る事は、このくらいです。これからの日本の旅を楽し
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人生の幕引の前に=日本政府に向け真情を吐露した米国在住老人=(4)=弟の形見=オルゴールとザラ紙=特攻機突入前に電信
9月2日(木) 成田には予定時刻に到着して、通関もすぐに済み、金田氏と都内のホテルにバスで向かった。高速道路は混みもせず、五時にはホテルに着いたので、荷物をかたずけると、二人でホテルの周りを散歩して
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人生の幕引の前に=日本政府に向け真情を吐露した米国在住老人=(3)=なぜ許可をする=日本赤軍の子の入国
9月1日(水) 私はこの様な金田氏の声を初めて聞いたので、胸の内で感激の波が起きていた。 金田氏は自分の最後の旅をするにあたり、私を誘ったのは、自分の言葉を私に聞いてもらいたいと考え、そしてその言
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人生の幕引の前に=日本政府に向け真情を吐露した米国在住老人=(2)=「二重国籍を認めよ」=ほかの先進国並みに
8月31日(火) 「私はこの日本行きの直ぐ前に、吉田氏のアメリカ帰化試験のお手伝いをしましたが、彼はアメリカ国籍でないと社会保障のべネフェクトを受ける事が制限されるので心配して、帰化試験に通訳を付け
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人生の幕引の前に=日本政府に向け真情を吐露した米国在住老人=(1)=1度乗ってみたかった=日航ファーストクラスで訪日
8月28日(土) メールマガジンからリック野口氏の「アメリカ・カリフォルニア発、百姓ジジイの還暦過去帳、思い出語り」四部作の一部を紹介する。実話に基づいているという。「金田氏」という人物の言動を通し
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唄でつづるカンゲイコ=柔道(7)=「終り」よければすべて良し=「また来年も」と生徒に約束
8月18日(水) (ポッソスの)市職員が時間を守らないこと、シュベイロの修理を頼んでもすぐにしてくれないこと、食事が〃貧しい〃こと――私が焦(あせ)って文句をいうと、職員らも言い返す。かれらの言
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唄でつづるカンゲイコ=柔道(6)=巨漢がホームシック=ポッソス=頭痛い道場環境〃不全〃
8月17日(火) 七月十八日(日)、サンパウロ勢三十五人、ミナス勢三十五人は、雨の降る中を、夜七時、道場に集合した。自己紹介、ミーティングのあと、ミナス選手は道場に、サンパウロ選手は市の宿泊所に分宿
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唄でつづるカンゲイコ=柔道(5)=生徒たちを叱った後悔=修了式、いつもの感激なく
8月14日(土) 木曜日の夜、バストス入植祭が始まって、道場の前の公園では、ヴォルーミ・マッシモにして、午前二時近くまで、音楽を鳴らしている。とても眠れるものではない。 ちょっと寝て、四時半に生徒
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唄でつづるカンゲイコ=柔道(4)=仲間が骨折したのに=外出したがる生徒に失望
8月13日(金) 生徒たちは、元気になってきた。カロリーネ(12)とカミーラ(13)は「初めのうちは、練習がイヤでイヤでたまらなかったけれど、今は何のためにカンゲイコするのか分かってきて、友達もで