連載
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教科書 時代を映して変遷(18)=USP日本語講座開設=客員教授ら文法入門を刊行
5月8日(土) サンパウロ大学(USP)の構内に入って、十分ほど歩くと左手に地下一階地上三階建ての建物がみえる。日本文化研究所(=Centro de Estudos Japoneses、織田順子所長
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教科書 時代を映して変遷(17)=州立校では初の試み=レジストロ日本語が選択科目に
5月7日(金) 「これは、何ですか?」「それは、しっぽです」「これは、何のしっぽですか?」「それは、ぞうのしっぽです」 サンパウロ市から西南に百八十九キロのレジストロ市。三月十二日午前、州の外国語
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教科書 時代を映して変遷(16)=視覚に訴えるテキスト=現代っ子のニーズに合わせて
5月6日(木) マウリシオ・ソメソザリさん(一八)は日伯文化連盟(=アリアンサ、槙尾照夫会長)で学び始めて二年になる。 八年前にテレビで「セーラームーン」を見たことがきっかけで、アニメやマンガに関
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教科書 時代を映して変遷(15)=高評価、よく売れる=橿本さんの『きそにほんご』
5月5日(水) 今、コロニアで一押しの教科書といったら、おそらく『きそにほんご』だろう。 一九九五年一月に第一巻の初版千冊が発売された。同年三月までに売り切れ。現在七版目に入った。毎年、千二百冊が
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教科書 時代を映して変遷(14)=日本語能力低下に対処=文協が講座を開設
5月4日(水) 「留学生・研修生の日本語能力が、低下している」 九〇年代初め。日系二世、三世自身の間から、そんな危機感が大きくなる。 都道府県の多くは、年間一人当たりに数百万円を歳出して、留学生
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教科書 時代を映して変遷(13)=日語学校の生存競争=激動90年代、学習者減る
5月1日(土) 「日本語教育が最も動いた時期ではないだろうか。言わば激動の時代です」 丹羽義和ブラジル日本語センター事務局長は九〇年代をそう、位置付ける。 九三年に一万八千六百人いた日本語学習者
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教科書 時代を映して変遷(12)=日伯文化普及会が産声=早い時期に認識=日本語教育は外国語教育
4月30日(金) 日本語を論理的にみる――。 一九七二年には、学習者の世代別構成について、二世(三〇・七%)と三世(六三・五%)が逆転。四世(三・四%)、非日系人(一・五%)が新たな要素として加わ
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教科書 時代を映して変遷(11)=日本語教育界最大の出来事=普及センターの発足
4月29日(木) 日本語教育機関の一本化――。 ブラジル日本文化協会(上原幸啓会長)は国際交流基金の依頼を受け、八五年に旧日本語普及センターを設立した。 これに、日伯文化連盟日本語普及部、旧ブラ
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教科書 時代を映して変遷(10)=初訪日研修員がつくった=『にっぽんご かいわ』=2つのレベルで
4月28日(水) 「日本語の話せない子供が増えて、困っています」 六〇年代末になると、教職員の間で、そんな会話がちょくちょく交わされるようになる。学習者の主流が三世に移行。家庭内で日本語を使わなく
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教科書 時代を映して変遷(9)=保護者の矛盾した意識=日本語教育は必要=教師月謝は上げぬ
4月27日(火) 第二期教科書刊行委員会(宮坂国人委員長)は六四年六月に、高学年用四巻の編集作業を終えた。移民五十年祭(一九五八)で日系社会が一体化。その余韻がまだ残っている頃で、日系人からの寄付も