連載
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朝川甚三郎不運の半生―1―臣道連盟活動に関与―最後の居場所、厚生ホーム
9月17日(水) 二〇〇二年六月三十日、臣道連盟の指導者の一人、朝川甚三郎がサントス市内の病院で家族に看取られることなく、八十九歳の生涯を終えた。死後、親族の手で辛うじて、コンゴニャス墓地(サンパウ
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平成の自由渡航者たち=運命の出会いに翻ろうされて(8)最終回=戦前戦後の区切りを超え=連綿と続く自由渡航の波
9月13日(土) ここ十数年でブラジルに移り住んだ日本人七人に話を聞き終えたところで、「移民区分のなかで、彼らをどう位置づければいいだろう」との疑問が寄せられた。国策でやって来たわけではない。しかも
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はばたけ!ダチョウ飼育(下)=夢追う日系飼育者==高まるブラジルでの需要
9月12日(金) ダチョウ飼育の大きな問題は、長期的な投資とインフラ整備が必要なことが挙げられるが、COONTRUZは滅菌した卵を、土曜日にまとめてアラサトゥーバ(USP)の共同試験場へ運び、孵化さ
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平成の自由渡航者たち=運命の出会いに翻ろうされて(7)=「美術史に残る作品を」=夢を見させてくれる場所
9月12日(金) 「サンパウロでは、たくさんの夢を見させてもらっている」と話す吉沢太さん(三九、埼玉県出身)は現代造形作家。大学でテキスタイルデザイン(織物)を学んだ後、ファイバーアート(繊維美術)
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はばたけ!ダチョウ飼育(中)手間かかる雛の飼育=高額で売買、メスの成体
9月11日(木) 「ダチョウ飼育で、一番気をつかうのは孵化してからの三カ月です」。 前田リカルドさん(四二)は、第二アリアンサでダチョウ飼育に取り組んで五年目になる。 デカセギで七年半ほど群馬や
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平成の自由渡航者たち=運命の出会いに翻ろうされて(6)=身重で単身渡伯し出産=一見型破り、でも自然体
9月11日(木) 「思い立ってブラジルに来ました」――。村本清美さん(四五、愛知県出身)はくったくがない。日本の大学を卒業、しばらく都市計画関連の仕事に就いた後、一九八六年から九一年まで、サンパウロ
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はばたけ!ダチョウ飼育(上)=ブラジル唯一の日系組合=高いがヘルシーな肉
9月10日(水) 黒い羽毛をまとったその姿からは、悠然とした気品を感じさせ、時速六十キロで走るという伸びた足は、その堂々たる体駆を支える。二本の指を大地に食い込ませ、毅然と長い首を佇立させた姿が、サ
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平成の自由渡航者たち=運命の出会いに翻ろうされて(5)=大学卒業し通訳翻訳業=日系妻との二人三脚人生
9月10日(水) 在伯通算十六年になる神戸保さん(三九、愛知県出身)は毎日、働きづくめで休む暇がない。「子どもができると、何も考えずに働いている。好きなこと言っている場合じゃないよね」。昼間は翻訳、
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平成の自由渡航者たち=運命の出会いに翻ろうされて(4)=韓国移民と結婚し渡伯=ボンレチーロでビーズ刺繍
9月9日(火) 「あら、ここのデザイン、ちょっと間違っているわね」。 「大変! もう一度、ほどいて縫い直さなきゃ」。 ボン・レチーロ区、あるアパートの一室での会話だ。 栗木圭子さん(四八、大阪
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老ク連、強行日程の旅―パラグアイの同士を祝いに(下)=錆びた乗用車が走るー国会議事堂の裏手にファベラ
9月6日(土) パラグアイ(以下パ国)は、日本より早く、南米でも早い時期に蒸気機関車を導入した。日本では、リニアモーターカーが実用に向けて実験される時代に、パ国では薪をくべる汽車が現役で走る。温和な