連載
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終戦70周年=〃台風の目〃吉川順治の横顔=身内から見た臣聯理事長=(2)=文武両道のインテリ陸士
早田(そうだ)さんは「日露戦争に騎兵として従軍し、コサック兵と切りあって負傷した。その功績から金鵄勲章をもらったと聞いています」と振り返る。開戦時、吉川は27歳。金鵄勲章は軍人軍属のみが受勲できる。
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終戦70周年=〃台風の目〃吉川順治の横顔=身内から見た臣聯理事長=(1)=有名ゆえに抹消された男=軍人目指し新潟から徒歩上京
コロニアにおいては超有名なのに、経歴や人柄が分からない不思議な人物に、吉川順治がいる。退役陸軍騎兵中佐で勝ち組最大の団体「臣道聯盟」理事長として、終戦直後に起きた「勝ち負け抗争」について記述される際
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戦前戦後3度勤務した重松さん=在聖総領事館開設100周年=(下)=桜組挺身隊に襲われケガ
1954年12月4日付パ紙トップ記事《桜組挺身隊一斉検挙さる》の記事中にも《ぬかに釘、重松副領事説得に赴く》との小見出しで、警察署に収監されている同隊18人と数時間にわたって〃懇談〃して、彼らが求め
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戸籍謄本守った移民領事=在聖総領事館開設100周年=(上)=戦中親戚に分けて預ける
在サンパウロ日本国総領事館(初代総領事・松村貞雄)が開設されたのは1915年7月14日――それから100周年を迎えた今年、記念行事も予定されている。その機会に、戦前から同館に勤務していた重松万太郎さ
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ガウショ物語=作者の紹介と本作の特徴=中田みちよ=(下)=ブラジル版『遠野物語』
地元に経済的な活況をもたらした牧畜。そこから派生する皮革の輸出。そして食肉。シャルケとよばれる干し塩肉の産地です。冷凍技術のない当時は、全国的にこのシャルケが流通していました。歴史的には18世紀のセ
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ガウショ物語=作者の紹介と本作の特徴=中田みちよ=(上)=ガウショ物語の解説にかえて
翻訳サークル「アイリス」が手がけた「ガウショ物語」です。短編は訳し易いはずなのですが、話は南リオ・グランデ州の民話ですから、方言の多いこと、多いこと。ひどいときには一行全部が未知の語彙。「コウサンだ
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県連ふるさと巡り ペルー=115年経て受け継がれる日系魂=(11・終り)=意外と小さい? ナスカの地上絵=動物の楽園を遊覧ツアー
最終日は、ナスカの地上絵と動物の楽園「バレスタス諸島」ツアー。カニエテから更に南下し、ナスカ空港へと向かった。 「酔いやすい人は、酔い止めを飲んでおくように! 食事は食べすぎないで」。バスの中で旅行
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県連ふるさと巡り ペルー=115年経て受け継がれる日系魂=(10)=移民の聖地カニエテへ=日系唯一の寺院も訪問
5日目、一行は首都リマから約150キロ南にあるカニエテ群カサ・ブランカ墓地を訪れた。日系唯一の寺院である「慈恩寺」があることから、〃移民の聖地〃とも呼ばれている。 のどかな田園風景の中に、白壁に囲ま
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県連ふるさと巡り ペルー=115年経て受け継がれる日系魂=(9)=南米最古の日本人墓地へ=サンニコラスに眠る480人
砂漠を通り抜け、4時間弱ほどでリマ市から約180キロ北にあるリマ県バランカ群スペ・プエルト区に到着した。漁業を主産業とする、人口約1万1千人の小さな沿岸の町だ。 当時、移民が働いたさとうきび農園があ
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県連ふるさと巡り ペルー=115年経て受け継がれる日系魂=(8)=今も人気高い藤森元大統領=娘が継ぐ国家再建の立役者
3日目はリマ県バランカ郡の日系人会との交流のため、早朝バスに乗り込んだ。パンアメリカン・ハイウェイに乗って海岸沿いを北上するが、道路の両側の壁のために、残念ながら眺めが遮られる。 「車が止まると泥棒