連載
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ブラジル映画の中のジャポネス=時時代と共に変遷する役柄=(中)=百年経ってようやく家族役=「いつも日系人の役だけ」
当地のTVドラマはイタリア移民の話が多い。移民大国だけに歴史物にはドイツ移民、イギリス人、アラブ人など様々な役柄がある。つまり、白人系の役者なら何でも演じることができる。 しかし、金子は「僕はいつも
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ブラジルドラマの中のジャポネス=時代と共に変遷する役柄=(上)=唯一の日本生まれの俳優=金子謙一「パステル屋から師匠に」
「日本から来て、こちらの映画でずっと俳優をしている日本人は僕だけ」。画家の金子謙一(79、神奈川)はそんな不思議な経歴紹介をする。公開されたばかりの映画『グランデ・ビットリア』では柔道師匠役を演じた
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在日ブラジル人子弟の教育向上に=両側で教員養成講座に協力=(下)=日伯大学が連携して遠隔授業=ブラジル人学校のレベル底上げ
日本で仕事をしないかと声をかけられたとき、「04年に初めて日本を訪れた際、富士山が見られなかった心残りから、内容も確かめずに、富士山が眺められるところに住めるなら、と二つ返事で決めた」と笑う。 だが
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在日ブラジル人子弟の教育向上に=両側で教員養成講座に協力=(中)=金融恐慌と同時に募集?!=ユニークなポ語「日本学」
溝口シゲヨさん(67、三世)さんは、佐賀県出身の移民家族の孫としてサンパウロ州ビラッキ市に生まれ、18歳まで日系社会のなかで育った。「実は、学生時代ポルトガル語が苦手で、学校では通訳してくれていた同
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在日ブラジル人子弟の教育向上に=両側で教員養成講座に協力=(上)=ブラジルと銀行が400万ドル負担=205人が教員免許を取得
日本のブラジル学校は日伯いずれの政府からも公的な支援が受けられず、経済面でも教育の質の面でも課題を抱えていた。しかし09年7月より、ブラジル政府とブラジル銀行が400万ドルの費用負担をし、日伯政府が
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島流し物語=監獄島アンシェッタ抑留記=特別寄稿=日高徳一=(14)=「大勢の方に迷惑をかけた」=時と共に理解できたのでは
事件になんら関係のない、祖国を固く信じたばかりに収監され、虐待され、留守家族も破壊された方もあるのである。 他に責任を転嫁するつもりはないが、あの時に祖国の敗戦を同胞に知らすべく7名の者が連名で敗戦
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島流し物語=監獄島アンシェッタ抑留記=特別寄稿=日高徳一=(13)=あっけない「ジャポネスの勝利」=弁護士による釈放働きかけ
次は泉沢君の出番。先鋒が凄いところを見せたので勢いづいたのか、悠々と現れ、相撲の四股を踏み、柏手を打って、日本語で「サーア来い」と云った。だが相手が出て来ない。いくら待っても現れない。審判が「ジャポ
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島流し物語=監獄島アンシェッタ抑留記=特別寄稿=日高徳一=(12)=ブラジル人囚人の強者と格闘試合=精鋭3人が日本人の名をかけ
あの社会では何人も人を殺めたり、刑の重い者、力の有る者が上に立つのである。だから、「この際押さえて置かぬと彼等がのさばる様になるから」と話がきまり、受けて立つ事になった。 一騎当千の豪傑が10名程居ら
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島流し物語=監獄島アンシェッタ抑留記=特別寄稿=日高徳一=(11)=運動会の種目に「牢破り」=リオのサンバ慰問団がショー
前日から20名ほどの青年がその準備にかかり、相撲の土俵も出来、広場の中央に柱を建て、万国旗の代わりに紅白の小旗を八方に飾り、立派な会場が出来上がった。 午前中は相撲、プロミソン出身の鈴木光威君が優勝
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島流し物語=監獄島アンシェッタ抑留記=特別寄稿=日高徳一=(10)=島抜け脱獄の唯一の成功譚=刑務所内で特別に天長節祝う
現在は知らぬが、当時は暴力による脱獄でなければ、何回やり損なっても刑期は増えないので、普通の牢だとトンネルを掘ったり鉄格子を切ったりして脱獄する。島では、あとの仕置きが恐ろしく脱獄は一人しかなかった