連載
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島流し物語=監獄島アンシェッタ抑留記=特別寄稿=日高徳一=(9)=古強者が泣いて許し請う刑罰=一鞭で悲鳴を上げて倒れる
その時、皆を外に出し三室の検査を行い佐藤正信さんの調べでは現金30コントス余り、そのほか写真機などの貴重品は持ち去られ、そのままになってしまった。「重傷者1名(谷田さん)、軽傷者36名」となっている
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島流し物語=監獄島アンシェッタ抑留記=特別寄稿=日高徳一=(8)=6号室が反乱の檄飛ばす=看守棍棒で手当たり次第殴る
6号室の室長、大美頼夫氏とは余り面識はなかったが大言壮語する人で、彼等の云うままになる事はないと所の方で大目に見てくれていた。それを良い事にして、彼は規則に反する事をしていて、事務所に勤めて居られた
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島流し物語=監獄島アンシェッタ抑留記=特別寄稿=日高徳一=(7)=試される日本人収監者=野火の延焼を食い止める
我々を試そうとしている事は、彼等の口振りで判った。年長の谷口正吉と共に二十余名は、運動不足であるが全員一致で登る事になった。谷口正吉が「時間は制限されていない。我先に登っては、一人が転ぶと何人か一緒
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島流し物語=監獄島アンシェッタ抑留記=特別寄稿=日高徳一=(6)=山内「踏絵より死を選ぶ」=各人技量を発揮して生活向上
本家さんは自分達の同志であり、山内さんは臣道聯盟ツパン支部の幹部の子息で、嫌疑をかけられ父子ともオルデン・ポリチカ政治警察)に連れて来られ取り調べをうけた。父親が聯盟員と云うだけで、釈放するのに、各
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ブラジルで増える難民 (下)=昨年は4割強がアフリカから=ハイチ人には例外的措置
国連難民高等弁務官事務所のブラジル代表アンドレス・ラミレス氏によれば、メルコスール諸国間で結ばれた協定でコロンビア人、アルゼンチン人、パラグアイ人、ウルグアイ人、チリ人、ペルー人はブラジルに永住する
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島流し物語=監獄島アンシェッタ抑留記=特別寄稿=日高徳一=(5)=軍隊式の起床ラッパ生活=能力発揮した日本人収監者
反対側(註=認識派)の日本人が宣伝し、マスコミが「臣道聯盟によって組織され訓練され、また日本の黒竜会との関係のある殺人団体である」と看守らには吹きこまれていた様だ。彼らは始めのうちは用心したらしいが
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ブラジルで増える難民 (上)=最も多いのはコロンビア人=「第三国定住」受け入れも
ブラジル国内には現在、79カ国からの5208人の難民がおり、そのうち最も多いのはコロンビア人で1154人いる。法務省の国家難民審議会(Conare)のデータで明らかになった。 その数字によれば、国内で
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島流し物語=監獄島アンシェッタ抑留記=特別寄稿=日高徳一=(4)=警察で踏絵、取調べは森田=サントスから木造船で島に
地方でも中央でも留置場は満員となり、前述の様に一札入れたり、踏絵をした者は自由になった。だが、警察らの意に従わなかった人達の処置に困り、虚実の理由をつけアンシェッタ島に送りこんだのである。 この島送り
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島流し物語=監獄島アンシェッタ抑留記=特別寄稿=日高徳一=(3)=有罪は決行犯ら十数人のみ=信念不変の人を多数送致
私達が島で生活した頃は、墓地の周囲には形ばかりではあるが柵と十字架があった。その後、半世紀程して機会があり、山下博美君と島を訪問する事があり、墓地に行った。訪れる者もないのか、草木は茂り十字架も柵も朽
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島流し物語=監獄島アンシェッタ抑留記=特別寄稿=日高徳一=(2)=石畳建設で100米に一人犠牲=島の初期住人はラトビア人
アンシェッタ島は、今はサンパウロ州自然保護局の管理下にあり、自由に一般の者も出入り出来る観光地の一部になっている。知っている人も多いと思うが簡単にその場所を書く。 中央線のタウバテから観光地のウバツー