ピンガ
-
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(104)
房子にとって永遠に思われたときがすぎ、サンタカーザ病院に着いてすぐ、息子は適切な処置を受けられるようになった。だが、すでに重態で、ほとんど息ができない状態だった。診察室のなかに連れていかれると、正輝
続きを読む -
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(90)
グァタパラー耕地で覚えたピンガを飲む習慣を正輝はやめることはなかった。「一口のピンガ酒を飲むこと」をカボクロは「mata-bicho」とうのだが、彼もそう呼びはじめ、正輝は完璧に発音できたのだ。
続きを読む -
Free
JHで酒のセミナー=酒の美味しさと美しさ、26日から
ジャパン・ハウス(マルセロ・マトア・アラウジョ館長、以下JH)主催の酒セミナー、「酒の美味しさと美しさ」が今月26、27両日の午後7時から同館の1階セミナールーム(Avenida Paulista,
続きを読む -
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳
連載小説=臣民=――正輝、バンザイ――=保久原淳次ジョージ・原作=中田みちよ・古川恵子共訳= (79)
頭は肝臓と同じように栄養価の高いスープを作るために自分に確保した。頭はハヤトウリのスープではなくケールのスープを作るだしにするためだ。盛一も正輝もケールを日常食としていつも畑に絶やさなかった。 腿
続きを読む -
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳
連載小説=臣民=――正輝、バンザイ――=保久原淳次ジョージ・原作=中田みちよ・古川恵子共訳=(78)
チオンはたまに盛一や正輝に手を貸した。農作業を手伝ったり、家屋の修理をしたりするのだが、報酬は何杯かのピンガや何本かの葉巻タバコだったりした。収穫期には収穫物のほんの一部をもらった。気がきき、実直で
続きを読む -
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳
連載小説=臣民=――正輝、バンザイ――=保久原淳次ジョージ・原作=中田みちよ・古川恵子共訳= (68)
叔父の樽は少し前、サンカルロスに移り、町のそばに農園を借りて、野菜を栽培し朝市で売っていた。家族が増えていた。 1921年から1923年、イガパラヴァにいたとき、長女のハツエと長男ヨシアキが生まれ
続きを読む -
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳
連載小説=臣民=――正輝、バンザイ――=保久原淳次ジョージ・原作=中田みちよ・古川恵子共訳=(67)
房子は未亡人としての責任を負わないことに決めた。兄に意見を問うと、兄はそれを承認した。戸籍上結婚しているとはいえ、それはなんの意味もなかった。一日たりともいっしょに過ごしたことはない。だから、彼女と
続きを読む -
日系社会ニュース
■訃報■川田敏之さん
アマゾナス日系商工会議所元会頭でマナウス在住の川田敏之さんが、胸膜炎により23日に逝去した。享年88。 長崎県出身。59年6月にアクレ州キナリー植民地入植した。63年にトレーゼ・デ・セテンブロ植民
続きを読む -
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(50)
糸巻きにする木は、ねじりに強い木でなくてはならず、そのような特殊な木は容易にみつからない。沖縄人はブラジルにある木で最もその性質のあるのはコショウボクだと気付いた。正輝がブラジルではじめて目にした三
続きを読む -
『百年の水流』開発前線編 第四部=ドラマの町バストス=外山 脩
『百年の水流』開発前線編 第四部=ドラマの町バストス=外山 脩=(8)
乱れに乱れる 移住地の乱れは、1930年に入ると、一段と激しくなった。 2月、畑中は入植者二人を移住地から追放した。この二人はブラ拓事務所へ盾突き続けていた。 詳細については資料を欠くが、相当荒
続きを読む