「南米日本語教育シンポジウム2017」が8月25日から27日まで、サンパウロ市の援協本部神内ホールで開催され、日本語教師ら約140人が参加した。国際交流基金、「南米日系社会における複言語話者の日本語使用特性の研究」(科研)研究チームの共催。日本語教育とバイリンガルに関する興味深い講演や発表が次々に行なわれた。 国際交流基金サ ...
続きを読む »デカセギ 関連記事
バイリンガルの育て方=(下)=日本側のポルトガル語教育の場合
在日ブラジル人子弟の母語形成は、家庭内のポ語と公立学校に入学してからの日本語と二段階あり、複雑だ。デカセギである親は工場の残業に忙しく、子供にかまってやれない。だが、子どもは家庭で親から生活知識から倫理までを情感たっぷりに、豊富な語彙で教わる必要がある。 デカセギ子弟は義務教育を日本の小中学校で受けた方が、費用がかからずに質 ...
続きを読む »■ひとマチ点描■元デカセギのお菓子工場
南大河州都ポルト・アレグレ市の日本祭りに出店していたイボチー移住地の尾池千春さん(二世、57)と大城ジャケリーネさん(三世、42)夫妻は、自分たちで作ったお菓子を販売していた。チョコレートやクッキー、煎餅など様々なお菓子はブラジル人にも人気で、試食をした人は必ず購入していく。 尾池さん夫妻は10年ほどデカセギのために日本に住 ...
続きを読む »バイリンガルの育て方=(上)=ブラジル側の日本語教育の場合
「親が持てる限りのボキャブラリー(語彙)で、年齢に応じた言葉のシャワーを子どもに浴びせることが大事。豊かな語彙に親しんだ子供ほど、豊かな表現が可能になる。豊かな表現ができれば、微妙な差異を言葉で表現できるようになり、それを積み重ねることで論理的な思考能力を獲得しやすくなる。だから、親が自分の母語で幼少期の子供に語りかけ、親と同 ...
続きを読む »専門分野を超えデカセギ問題に取り組む
来月2日にムクナ豆について講演を行う三浦左千夫さんは熱帯医学の専門家。過去に熱帯病であるシャーガス病について来伯講演した。日系人のデカセギ訪日で日本でも熱病が広がる可能性を調査。そこから現在はデカセギ本人と子どもの精神疾患も研究している。 三浦さんは「ブラジルでのびのび育った子が、急に日本の狭い環境に押し込まれ、一時的に精神 ...
続きを読む »9年目迎えた『カエル・プロジェクト』=帰伯デカセギ子弟を支えて=(下)=「支援の輪を広げたい」
『カエル・プロジェクト』代表の中川郷子さん(60、東京都)は「日本から戻ってきた子弟の中には、家庭問題を抱える子もいる」という。 ある小学6年生の男の子は2週間ほど通学しない日が続いていた。スタッフが家庭訪問すると、酒浸りの父親、うつ病を患う母親がいて、男の子は部屋に引きこもっていた。家計は男の子の姉が仕事をして支えていたが ...
続きを読む »《ブラジル》新しい研究プロジェクトに大いに期待
週末に開催された「南米日本語教育シンポジウム2017」を取材して、いろいろ考えさせられた。特に「南米日系社会における複言語話者の日本語使用特性の研究」(H28―32科研費、代表=松田真希子・金沢大学)という大きなプロジェクトが始まっていると聞き、調査される側として実にありがたいと感じた。 「複言語話者」(バイリンガル)という ...
続きを読む »9年目迎えた『カエル・プロジェクト』=帰伯デカセギ子弟を支えて=(上)=「日伯両側から問題解決を」
2008年に始まった『カエル・プロジェクト』は今年で9年目を迎えた。サンパウロ州教育局と「ブラジル三井物産基金」の支援を受け、日本から帰国したブラジル人デカセギ子弟の社会適応を助けることを目的に、カウンセリングやポルトガル語の授業などを行なう。代表の中川郷子さん(60、東京都)に教育問題の現状や活動の経緯を取材した。 「日本 ...
続きを読む »デカセギ子弟と同じ経験もつ中川さん
『カエル・プロジェクト』代表の中川郷子さんは1957年、中国人の父と日本人の母の間に生まれ、生後5カ月でブラジルに渡った。 公立小学校に入学するが、ポ語が話せず教師から難聴を疑われ、特別支援クラスに入れられた。母親はそのことを学校から知らされず、入学から3カ月経っても娘がノートに何も書いてないと学校に相談。初めて娘が特別支援 ...
続きを読む »竹の魅力と報徳思想を語る=松田パウロさん講演会=争いのない世界実現のために
ブラジル日系作家アカデミーが先月28日、日本から来伯した松田パウロさん(60、神奈川県)の講演会をサンパウロ市内のホテルで開催し、同会員ら約25人が参加した。松田さんは東京農業大学林学科で学び、1980年に卒業した日本人。82年には農業実習生としてトメアスー移住地に渡った。実習当時、ブラジル人から『材木馬鹿』と呼ばれるほど材木 ...
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