ニッケイ新聞 2008年4月2日付け バイリンガル教育には、ある程度の知識を持って臨まないと、思わぬ結果を招くこともある。二言語話者に育てようとして、どちらも中途半端なセミリンガルになってしまう危険性、そしてアイデンティティの不安定性さだ。 ◎ ◎ 戦前の植民地にあった小学校などのように、授業も日系人ばかりの場合は ...
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「百年の知恵」=日系人とバイリンガル=多言語と人格形成の関係を探る=□第2部□2世世代の特殊性(7)=2世が理系進学する理由=社会上昇戦略の裏には
ニッケイ新聞 2008年4月1日付け 「となりの机にジャポネースが座っているのに気付いたとたん、私は試験を続けるのを諦め、泣きながら会場から去りました」。昨年十二月一日付け、サンパウロ州バウルーの地方紙ボンジアには、大学入試シーズンにちなんで、そのような体験談エッセーが掲載された。 十九歳のそのブラジル人女性受験生は数学テス ...
続きを読む »「百年の知恵」=日系人とバイリンガル=多言語と人格形成の関係を探る=□第1部□日系社会の場合(6)=コロニアが日系社会の核=日本語文化圏の誕生
ニッケイ新聞 2008年3月28日付け ブラジルというポルトガル語の大海のあちこちに、日本人集団地という島が浮かんでいる。パラナ州ロンドリーナ市に住む沼田信一さんの調査によれば、過去には二千カ所もあった。今も全伯にある文化協会などの団体は四百以上も存続している。 このように転々とある植民地をつなぎ、さらにサンパウロ市の情報を ...
続きを読む »「百年の知恵」=日系人とバイリンガル=多言語と人格形成の関係を探る=□第1部□日系社会の場合(5)=移住地は最高の2言語環境=言語伝承のメカニズムとは
ニッケイ新聞 2008年3月26日付け 日本語継承に関して移住地環境がどんな役割を果たしているか、を示唆する興味深い研究がある。 二〇〇三年にスザノ福博村とアリアンサ移住地で行われた調査、大阪大学とブラジルの言語学研究者との「コロニア語」共同調査には、本来は「どのようにしてコロニア語が生まれたか」という研究だが、バイリンガル ...
続きを読む »「百年の知恵」=日系人とバイリンガル=多言語と人格形成の関係を探る=□第1部□日系社会の場合(4)=日系学校が果たした役割=戦前は日本人教育だった
ニッケイ新聞 2008年3月25日付け 連載第一回でカナダ日系社会では三世で日本語がなくなるという話を紹介したが、ブラジルでは三世で読み書きするものや、四世でも日本語をしゃべるものがいる。この違いはどこから来るのか。大きく二つ理由があると考えられる。 第一は、ブラジルへの移民が家族単位で移住地や植民地に入った点ではないか。 ...
続きを読む »「百年の知恵」=日系人とバイリンガル=多言語と人格形成の関係を探る=□第1部□日系社会の場合(3)=言語習得の2段階とは=「日本人らしさ」の原因
ニッケイ新聞 2008年3月21日付け 一月中旬、首都ブラジリアでルーラ大統領出席のもとに行われた連邦政府の百周年開始セレモニーの取材の折り、我々と一緒にいたある二世ジャーナリストがイタマラチー(外務省)の受付の非日系男性にポ語で話しかけると、受付のブラジル人男性は「Yes」と答え、その二世ジャーナリストは恥ずかしそうな表情を ...
続きを読む »大耳小耳
ニッケイ新聞 2008年3月21日付け 「日系人とバイリンガル」連載に関係して、日本的習慣を継承する日系人の例をあげると、ブラジル社会のエリート階級にまで出世した二世で、日本語会話はそれほど堪能ではないが、なぜか通常のブラジル人はまず食べない「生卵」が大好きで、特にそれをかけたカレーライスに目がない、という人物がいる。ブラジル ...
続きを読む »「百年の知恵」=日系人とバイリンガル=多言語と人格形成の関係を探る=□第1部□日系社会の場合(2)=「三つ子の魂、百までも」=幼少移住の方が訛り少ない
ニッケイ新聞 2008年3月20日付け 上智大学の坂本光代准教授はバイリンガルセミナーの中で、「同じニュースでもCNN(米国のニュース専門TV)とNHKでは違う観点から報じている。バイリンガルは両方の視点を享受できる」と複眼思考の利点を強調した。 複数の目線でものごとを観察できるようになると、同じ出来事を目撃しても、モノリン ...
続きを読む »《百年の知恵》第2回開始=何気ない生活経験を見直す=移民の日常が〃含み資産〃
ニッケイ新聞 2008年3月19日付け ニッケイ新聞では編集部独自の百周年記念事業として、毎月一つの特別連載《百年の知恵》を掲載している。その主旨は、「ブラジルでは〃移住〃という壮大な民族的な実験が行われている」との認識を、様々な切り口から紹介するものだ。第一回は、笠戸丸のはるか前である一八九〇年に渡航し、帰国後の生涯をポ語辞 ...
続きを読む »ブラジル人児童の支援広がる=呉市=地域で放課後学習や保護者会
ニッケイ新聞 2008年3月18日付け 【中国新聞】文部科学省の帰国・外国人児童受け入れ促進事業で、広島県内唯一の対象自治体となった呉市で、在日ブラジル人児童を支援する取り組みが進んでいる。センター校に指定された白岳小(広駅前)ではボランティアらが約一年間、放課後に児童の学習をサポートしてきた。保護者会を開いて親の不安を取り除 ...
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