シンポ二日目の8月26日、細川英雄早稲田大学名誉教授の基調講演の後、南米科研発表「南米日系社会における複言語話者の日本語使用特性の研究(事業概要と中間発表)」が行われた。「科研」とは文部科学省の科学研究費助成金のこと。 概要を説明した研究代表の松田真希子金沢大学准教授は、「南米日本語人の言語・文化・教育資源はすばらしい」「そ ...
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バイリンガルのあり方探る=南米日本語教育シンポジウム=(上)=「教えない」という教え方
「南米日本語教育シンポジウム2017」が8月25日から27日まで、サンパウロ市の援協本部神内ホールで開催され、日本語教師ら約140人が参加した。国際交流基金、「南米日系社会における複言語話者の日本語使用特性の研究」(科研)研究チームの共催。日本語教育とバイリンガルに関する興味深い講演や発表が次々に行なわれた。 国際交流基金サ ...
続きを読む »バイリンガルの育て方=(下)=日本側のポルトガル語教育の場合
在日ブラジル人子弟の母語形成は、家庭内のポ語と公立学校に入学してからの日本語と二段階あり、複雑だ。デカセギである親は工場の残業に忙しく、子供にかまってやれない。だが、子どもは家庭で親から生活知識から倫理までを情感たっぷりに、豊富な語彙で教わる必要がある。 デカセギ子弟は義務教育を日本の小中学校で受けた方が、費用がかからずに質 ...
続きを読む »中南米日系社会との連携に関する有識者懇談会報告書=どうなるの?! 日本との絆=コロニア必読の重要な方針=(10)
《カ》日本語・日本文化発信事業における連携のための施策 日本語教育については、継承言語教育に加えて、非日系人も含め外国語としての日本語教育のニーズの高まりが見られ、また、日系社会に限らず、中南米社会全体において日本文化への関心が増大している。 かかる状況の中、海外移住審議会の従前の意見も踏まえ、デジタル時代への対応に留意しつ ...
続きを読む »バイリンガルの育て方=(上)=ブラジル側の日本語教育の場合
「親が持てる限りのボキャブラリー(語彙)で、年齢に応じた言葉のシャワーを子どもに浴びせることが大事。豊かな語彙に親しんだ子供ほど、豊かな表現が可能になる。豊かな表現ができれば、微妙な差異を言葉で表現できるようになり、それを積み重ねることで論理的な思考能力を獲得しやすくなる。だから、親が自分の母語で幼少期の子供に語りかけ、親と同 ...
続きを読む »専門分野を超えデカセギ問題に取り組む
来月2日にムクナ豆について講演を行う三浦左千夫さんは熱帯医学の専門家。過去に熱帯病であるシャーガス病について来伯講演した。日系人のデカセギ訪日で日本でも熱病が広がる可能性を調査。そこから現在はデカセギ本人と子どもの精神疾患も研究している。 三浦さんは「ブラジルでのびのび育った子が、急に日本の狭い環境に押し込まれ、一時的に精神 ...
続きを読む »《ブラジル》新しい研究プロジェクトに大いに期待
週末に開催された「南米日本語教育シンポジウム2017」を取材して、いろいろ考えさせられた。特に「南米日系社会における複言語話者の日本語使用特性の研究」(H28―32科研費、代表=松田真希子・金沢大学)という大きなプロジェクトが始まっていると聞き、調査される側として実にありがたいと感じた。 「複言語話者」(バイリンガル)という ...
続きを読む »四世ビザに「条件付き賛成」?=本人や関係者に意見聞く=(12)=バイリンガル教育の難しさ
日本では言葉の問題で公教育の授業に遅れをとる外国人児童には、在籍学級の授業以外に特別指導する「取り出し授業」、授業中に指導をする「入り込み授業」が行われることが多い。その場合、指導を担当するのはほとんどの場合が二言語話者だ。 中川さんは「しかし、ほとんどの担当者はそこそこ外国語、日本語ができる人。教員免許所有者は少数で、中に ...
続きを読む »静岡県=外国人子ども支援員養成講座=来日児童生徒をどう受け止めるか=(7、終わり)=教育の枠組みを練り直す時期では
4年間のエクアドル生活から帰国すると、日本の学校にはしきたりやルールが無数にあった。 娘たちは疑問を持ちながらも必死に順応しようとしたが、家庭ではその疑問が怒りや反抗や疲労となって表れた。学校では自分を出すどころか「どうして」と聞くことすらできない。息苦しさに悩み、何度も学校と話し合ったが最終的には「みんなが勝手なことをした ...
続きを読む »静岡県=外国人子ども支援員養成講座=来日児童生徒をどう受け止めるか=(2)=集住地区と散在地区で支援に差
「各会場20人を目標に人材発掘・育成をしたいと考えていたが、平日の昼間4日間という講座に関わらず、各会場40人を超える応募があった」と村川さん。 特に沼津会場では外国人の参加者が多く、申込受付者の46人中12人が外国人。子育てが一段落した「当事者の親」が、地域問題に取り組もうとする熱意が感じられた。 ◎ 第1回の ...
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