私は疲れていたので、男たちに挨拶して夫人の案内で寝室に入り、着ている服装のままベッドに横になって、小一時間も軽寝したと思ったとき、隣室の男たちの声で眼を覚まされ、起き上がって隣室に入った。 隣室の声はゲバラと彼の中学時代の友、ロベルトとの会談だった。田代夫人も同席していて「お目覚めですね」と迎えてくれ、ゲバラに向かって、「日本 ...
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大耳小耳
先日、東洋街の日系不動産会社で世間話をしていたら、旧グロリア病院横に新築された高級アパートの話題になり、「あそこは入所者の9割が中国人。しかも来て数年のような若い人ばかり。日本人は汗水たらして真面目に働いて十年、二十年かかるのに…」とぼやいた。まるで中国人はみなセントロでパラグアイ経由の密輸入品を売りさばいて短期間に儲けている ...
続きを読む »パナマを越えて=本間剛夫=99
私の踊りが下手なため、終始ターニャの靴を踏んだが、ターニャは嫌なそぶりもせず私をリードした。バンドが止んで私たちは手を取り合ってソファに腰を沈めた。「タケオ、あなたダンスだめね。こんどはわたしの部屋に来ないこと?」 ターニャは意味ありげに私の顔を覗いた。 ターニャはにっこり笑って私の眼を見詰めて反応を確かめるように私の手を強く ...
続きを読む »パラナ州入植百周年盛大に祝う=開拓始まったカンバラで=国道沿いに大鳥居建設=「日本移民なくして発展なし」
日系人口の1割15万人が集中する第二の集団地・パラナ州における最初の入植地カンバラ市(人口2万5千人)で13日、パラナ日伯文化連合会(折笠リカルド力己知会長)が主催するパラナ州日本人入植百周年祭の式典や先亡開拓者慰霊祭、大鳥居落成式などが盛大に行われた。100年前にバルボーザ耕地に入った福島県人らに始まり、上野米蔵(上野アント ...
続きを読む »東西南北
14日、サッカーのセレソンはコッパ・アメリカのグループ・リーグ第1戦の対ペルー戦で先制点を許すなど苦しんだが、2―1で勝利をもぎとった。この日は、オスカール欠場でゲームメーカー役を期待されているフィリペ・コウチーニョが怪我で欠場し、慣れない布陣での戦いとなったが、エースのネイマールの1ゴール、1アシストの活躍で逃げ切った。特に ...
続きを読む »パナマを越えて=本間剛夫=98
それから間もなく、私がベッドに横になろうとすると電話のベルが鳴った。パウリーナからだった。 エスタニスラウは今ごろたぶんゲバラとドブレに会っていると思う。それから彼女は私がゲバラについて十分な認識がないと見たのか、ゲバラが現在までどんな活動をしているのかを説明した。 ゲバラが医師であること。学生時代、彼は考古学を専攻していたが ...
続きを読む »パナマを越えて=本間剛夫=97
待つほどでもなく二人の若い女性が姿を見せ、一人が自分はパウリーナと名乗り、同伴の女性をターニアと紹介した。大使館の中には昼食時で誰もいない。私は面接室に二人を招いて向かい合った。パウリーナはドイツ人といいながら流暢なスペイン語を話した。二人ともアルゼンチン生まれのドイツ系だった。 私はエスタニスラウがこの町に来たはずだがという ...
続きを読む »暴露されたジウマの策略=メルコスールのパ国制裁=伯亜両大国の横暴に泣く=パラグァイ 坂本邦雄
最近出版された(2015)ウルグァイのアンドレス・ダンサとエルネスト・トゥルボヴィツ両新聞記者の共著に成る『権力に挑む一匹の黒羊』(西語原題〃La Oveja Negra al Poder〃の仮訳)によれば、2012年にジウマ大統領は、ウルグァイのホセ・ムヒカ前大統領の一特使を極秘裡にブラジリアで引見し、いかにしてパラグァイの ...
続きを読む »パナマを越えて=本間剛夫=95
私は組合事務所の職員たちに勧められて三日を費やして移住地の農家を訪ね廻った。どの家族も過ぎた十年間の苦労を、今では懐かしい思い出として話してくれるのが嬉しかった。 移住者たちはめいめい五〇ヘクタールのジャングルの大半を開拓して見事な農地を経営していた。産物の大部分は隣国ブラジルの市場に出せるようになったという。 小学校も完備し ...
続きを読む »朝日新聞が本紙に謝罪=抗議受け、誤報認める=週明け、訂正記事掲載へ
朝日新聞1日付け夕刊記事『悩める 邦字新聞』に対する本紙の抗議を受け、東京本社国際報道部の高野弦部長代理が電話とメールで謝罪、週明けに紙面で訂正記事を掲載すると約束した。この記事は、月間150万アクセスを誇るポ語サイト「IPCデジタル」でも翻訳、掲載されるなど(本紙抗議ですでに削除)、各方面に影響が及んでいる。記事掲載までの経 ...
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