ニッケイ新聞 2013年9月25日 1933年にサンパウロ州新報社が刊行した『在伯日本移植民二十五周年記念鑑』(香山六郎)には、レジストロ植民地の環境をうらやむ様子が書かれている。いわく《レヂストロ殖民地がサンパウロ州奥地の他の邦人殖民地より土地は肥沃でなくとも、此の洋々たる淡水河に臨んで居る環境は、サンパウロ州奥地邦人殖民地 ...
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ブラジル文学に登場する日系人像を探る 10=中里オスカル=ジャブチ受賞『NIHONJIN』=中田みちよ=(2)=無防備な移民女性を描写
ニッケイ新聞 2013年8月1日 写真=本の表紙 つぎに収容所から耕地に到着し、寝床つくりから始める農場のこまごました生活が語られますが、作者がブラジル人だと感じられるのは、女主人公のキミエが黒人女と友だちになることです。これは書き手が日本人一世なら絶対に出てこないシチュエーション。日本人が描く農園風景は、日本側に引き寄せられ ...
続きを読む »ブラジル文学に登場する日系人像を探る 10=中里オスカル=ジャブチ受賞『NIHONJIN』=中田みちよ(3)=暴力的な父の下で成長する子
ニッケイ新聞 2013年8月2日 第2章は、やもめになった稲畑秀雄が新しい家族をつくります。キミエが生きていたころ、もらい風呂にきていた三木村さんの娘静江と再婚しました。早い話が、農作業の人手がほしいために結婚し、結婚させるわけです。農村部では結構、こんな感じで嫁入り話が進められましたね。実際には秀雄が入り婿のような形ですが、 ...
続きを読む »コラム 樹海
ニッケイ新聞 2013年8月24日 今の日本には「 き酒師」や「酒匠」という清酒と焼酎に詳しい方々がいるそうだ。日本酒サービス研究所が実施している試験に合格した人たちで「 き酒師」は3万人近く、「酒匠」は難関であり160人と少ない。いわばワインのソムリエであり日本酒の知識が豊富で、料理と酒の組み合わせや酒器の選び方などを教えた ...
続きを読む »日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇戦前編◇ (31)=日露戦争従軍者が多く参加=〃鎮台〃に誘われ桂入植
ニッケイ新聞 2013年8月23日 90歳前後の二世がゴロゴロいるリベイラ河沿岸地方だが、北海道生まれの一世、西館正和さん(90)=イグアッペ在住、3月13日取材=も健在だ。 前節で紹介した桂小学校について「初めて学校に行った日、友達はみんな二世だった。パパイがリベイロン・プレットのお土産として買ってきてくれた編上げの皮靴に ...
続きを読む »来たる!ワールドカップ=開催12都市を簡単に紹介=(5)フォルタレーザ
ニッケイ新聞 2013年8月21日 北部セアラ州の州都フォルタレーザは、北東部ではサルバドールに次ぐ規模の都市で、観光地としても人気が高い。ブラジルで5番目に人口が多く、都市機能も発達している。 もともとスペイン人によって発見された土地で、17世紀からはポルトガル人によって植民地化され、一時期はオランダ人の侵略も受けた。17 ...
続きを読む »日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇戦前編◇ (29)=初植民地創立の気分に=満ち満ちる明治の気魄
ニッケイ新聞 2013年8月21日 農業経験も資本もない〃バガブンド〃が、サトウキビ栽培や米作で好成績を収めたことで、後発者に大きな勇気と好印象を与えた。入植者を最初は海興の試験場のカマラーダとして使い、まずは経験を積ませ次に分益農にしていくという制度が成功した。 半田知雄は《この30家族の成功は、その後の植民にとって大きな ...
続きを読む »日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇戦前編◇ (28)=〃バガブンド〃が先駆者に=「失敗したら次はない」
ニッケイ新聞 2013年8月20日 桂植民地は当初から予定されたものでなく、時の隣接州の内乱とレジストロ地方開発の大きな勢いに巻き込まれるような形で、郡長からの提案で後から追加され、結果的に「最初」となった。「植民地の試験場」として、ここでの経験が後に影響を与えていった。 植民事業の影の立役者だった桂太郎首相が1913年10 ...
続きを読む »日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇戦前編◇ (25)=桂に渋沢栄一のご落胤?=柳沢祖父「青淵」とは誰か
ニッケイ新聞 2013年8月15日 「青柳郁太郎はよく桂に来ていました。父とよく組合組織のことを話し合っていたのを覚えています」と懐かしそうに語るのは、1924年1月25日に桂植民地で生まれた柳沢嘉嗣(よしつぐ)ジョアキンさん(89、二世)=イグアッペ在住、3月13日取材=だ。初期の桂植民地を生の体験として語れる数少ない証人だ ...
続きを読む »日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇前史編◇ (15)=砂金掘り、稲作で繁栄=衰退期だったイグアッペ
ニッケイ新聞 2013年7月13日 一方、ブラジル側はどんな状況だったのか——。 16、17世紀にイグアッペ河上流では金が発見され、当地最初の〃黄金狂時代〃を迎えた。だから「レジストロ」という名前は、見通しが良い岸辺に監視官をおいて通る船を監視させ、上流で採掘した金を計量させて課税した「金登録港」(Porto de Regi ...
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