真相究明委員会のアドリアーノ・ジオゴサンパウロ州委員長に謝罪申し立て文書を渡す前、23歳の山内フェルナンダさんは「どうして山内家だけで―と父はコロニア内の評判をすごく心配しています。でも同じ扱いを受けた沢山の日本移民を代弁して、誰かが申し立てをしないと歴史の闇に埋もれてしまうと思った」と不安な胸中を吐露した▼戦争を挟んだ時期の ...
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戦中戦後=日本人迫害の歴史見直しへ=国に謝罪求める手続き開始=ツッパン山内家が申し立て=「移民の魂に平和を!」
櫛山アリッセさん(68、二世)=サンパウロ市在住=は23日午後にサンパウロ州議会内で、祖父の山内健次郎さんと父の房俊さん(二人とも島根県出身)が、終戦直後にブラジル政府から人権侵害や迫害を受けたことに関し、国を相手取って謝罪(retratação=誤りを認めること)を求める申し立て文書を、州真相究明委員会のアドリアーノ・ジオゴ ...
続きを読む »勝ち負け小説『イッペーの花』=元サ紙記者紺谷さんが上梓=ニセ宮や桜組挺身隊に焦点
「アンタには、宮様の血が流れとるがやちゃ」――子供の頃、おばあさんのつぶやいたそんな一言が心の奥底にひっかかっていた達也(主人公)は、彼女の死に直面した機会に、自らのルーツを確かめにブラジルを訪れる。そんな不思議な場面から始まる小説『イッペーの花』を、元サンパウロ新聞記者で、現在札幌在住のジャーナリスト紺谷充彦さん(49、富山 ...
続きを読む »「日本文化の普遍性」の象徴としての日本館
60年前、山本喜誉司がサンパウロ市四百年祭協力委員会代表となり、日本館建設に尽力した。独系、伊系など他コロニアも協力したが仮設、日本勢だけ本格的な恒久施設を作った。そこに山本の戦略があった。勝ち負け抗争で荒れた世情を四百年祭への協力運動を通して「融和」する考えだ▼本来は祖国救援の「ララ物資」を送る運動をそうするはずだったが、勝 ...
続きを読む »大統領と日本移民の友情=松原家に伝わる安太郎伝=(23・終)=在伯同胞の心に大きな灯り=帰国翌年に黄綬褒章授与
気丈な女性として知られた妻マツは、夫安太郎を看取った後、子供たちと暮らすために一人で再びブラジルに戻り、93歳で亡くなるまでクイアバで過ごした。 マリリア在住者によれば松原耕地の初期のころ、コロノへの給与支払いが遅れたことがあった。パトロン宅に労働者が大挙して「松原を殺してやる」と息巻いて交渉に来た時、若かったマツが前に立ちふ ...
続きを読む »大耳小耳
裏千家の記念大会のため、日本の総本部から来伯したのは約50人。その内の一人、広報部の有田外喜彦主査によれば、「お茶っ葉など、税関に没収された物品もある」とか。食品関係は福島原発事故の影響もあるようだ。さらに輸送手続きに1年かかったものや、ハワイを経由させたものもあったとか。高関税もそうだが、この種の輸入規制が、文化普及イベント ...
続きを読む »大統領と日本移民の友情=松原家に伝わる安太郎伝=(18)=ヴァルガス自殺で後ろ盾失う=松原の懐から政敵暗殺資金?
松原の日本移民再導入が許可された時、《これはコロニア内で態度不明だった新聞(編註=戦勝派新聞のこと)も朗報として大々的に報道した。戦勝論者の中から「移民導入不要論」の噴煙が揚がるかと思ったが、不思議な現象で、彼らは松原構想を大歓迎したのである》『志村啓夫文書2012』(岸本晟編集、278~287頁)という不思議な現象が起きた。 ...
続きを読む »樹海
NHK・BS1で15、16日に放送された勝ち負け抗争を扱った『遠い祖国』(前、後篇)を見た。貴重な証言を集める意欲には敬服したが、見終わった後に「何が言いたいのか…」という不完全燃焼感が残った▼まるで、悪いのは「開戦直後に移民を捨てて帰国した日本外交官」と「移民を迫害したブラジル政府」であり、「祖国に捨てられた可哀想な日本移民 ...
続きを読む »大統領と日本移民の友情=松原家に伝わる安太郎伝=(15)=志村啓夫文書が明かす逸話=アルキメデスの失踪の謎
この連載に関し、人文研の宮尾進元所長から「松原については、元コチア職員の志村啓夫(ひろお)さんが相当詳しいものを書いている」との指摘を受け、『志村啓夫文書2012』(岸本晟(あきら)編集)を調べてみた。すると総合農業雑誌『アグロナッセンテ』(92年3月、60号、30~39頁)に掲載された「第二次世界大戦後の日本移民導入の口を開 ...
続きを読む »大耳小耳
NHK・BS1は、勝ち負け抗争をテーマに『遠い祖国 ~ブラジル日系人抗争の真実~』を制作し、日本時間15、16日晩に前後編に分けて放送される。「前編」では〃新天地〃という言葉に誘われ海を渡った移民たちが体験した過酷な生活やブラジル政府からの弾圧を当事者たちの証言で描く。「後編」では、勝ち負け抗争が何故暗殺事件にまでいたったのか ...
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