ニッケイ新聞は2日に日本で、『勝ち組異聞』(無明舎出版、1800円)を出版した。勝ち負け抗争に関する連載から8本を選び、それぞれ記事で扱った事件や人物を歴史の中で位置づける解説文をつけたもの。移民による国境を越えた祖国愛「遠隔地ナショナリズム」の現実を考え直す具体的な事例が並べられており、ブラジル日本人移民史、ナショナリズム、 ...
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本紙連載集めた『勝ち組異聞』が日本で出版
メキシコとの国境に壁を作るというトランプのナショナリズム政策、シリアの難民問題、英国のEU離脱など世界情勢は大激変しているが、その根幹に共通してあるのは「移民問題」だ▼日本国内でも身の回りに外国人がどんどん増えている。コンビニの店員はもちろん、学校にはどこのクラスにも最低一人、二人の外国人児童・生徒がいる。どうしてこうなったの ...
続きを読む »移民110周年に向け発進!=皇室ご訪問に高まる期待=(8)=勝ち負け抗争で揺れたマリリア
マリリア市内中心から車でおよそ15分。ひっそりとした佇まいの自転車店内に日高徳一さん(90、宮崎県)はいた。狭い店内に入ると、「よく来てくれました」としっかり手を握り、朗らかな表情で迎えてくれた。 勝ち負け抗争に翻弄され、脇山甚作陸軍退役大佐事件に実行者として加わり、12年間刑務所で服役したという元強硬派の最後の生き残りだ。 ...
続きを読む »三島由紀夫は、なぜコロニアについて書かなかったのか
三島由紀夫とブラジルは相愛関係かもしれない。当地では『Depois do Banquete(宴のあと)』(Edinova、1968年)以来、代表作をほぼ網羅する約20冊もの翻訳書が出版された。日本人作家としては稀だ▼1951年は1月に日伯毎日新聞が戦後初めての芸能使節団・東海林林太郎らを呼び、4月に元皇族・多羅間俊彦さんが渡伯 ...
続きを読む »移民110周年に向け発進!=皇室ご訪問に高まる期待=(1)=終わる戦後、2団体統合へ
いよいよ目前に迫った移民110周年―。昨年11月に薨去された三笠宮殿下が移民50周年を祝し、皇室として初めてブラジルの地を踏まれ、サンパウロ州奥地を御訪問されたのを最後に半世紀の歳月が流れた。そんななか、移民の故郷とも言えるノロエステやパウリスタ沿線から、皇室の方をお迎えしたいとの切なる声が上がっている。なかでも特に期待が高ま ...
続きを読む »「負けて勝つ」のがサンパウロの歴史
サンパウロ市の誕生日、1月25日を心からお祝いしたい。1553年のこの日、マヌエル・ダ・ノブレガ宣教師が率いるイエズス会士ら一行が、チビリサー族らインディオ教化のため、初めてのミサをサンパウロ市で行った。その場所がパチオ・ド・コレジオであり、チビリサー族らが住んでいたのが、現在のリベルダーデ周辺だ。マヌエル・ダ・ノブレガは巨大 ...
続きを読む »勝ち組子孫が国相手に勝訴=「父はテロリストではない」=第一審で誤認認定と慰謝料
「父はテロリストではない。国家に間違いを認めてもらい、謝罪してほしい」――弁護士の佐藤真二さん(53、二世)、従兄弟の佐藤民生さん(たみお、54、二世)ら佐藤家の3兄弟は、父が1950年に「国民前衛隊」の一員として逮捕され、3年7カ月間も拘留された。10年ほど前から父の調書などを調べ始め、あまりに法的にいい加減な状態であったこ ...
続きを読む »傘寿を前に今もなお現役=テノール歌手 田中公道さん
8月に来伯し19回目のブラジルツアーを開催したテノール歌手の田中公道さん(79、島根)が、今月16日に全日程を終えた。今回は全20公演を消化し、主にサンパウロ州内各地でその歌声を響かせた。 田中さんにとってブラジルとの出会いは、10年前の島根県人会創立40周年式典。それ以来当地に惚れて、1998年から毎年のように訪れている。 ...
続きを読む »日本移民110周年は目前だ! (連載3)=地方と都市の2頭体制に
振り返れば、終戦直後の勝ち負け抗争において、最も死傷事件が多発したのは、マリリアからオズワルド・クルースに至るパウリスタ沿線だった。軍曹が汚れた軍靴を日の丸でぬぐった目撃談の真偽を糾すために、青年らが立ち上がった「日の丸事件」は1946年1月にツッパンで起きた。これが発端だ。そして同年3月のバストスの溝部殺害、5月のバストス連 ...
続きを読む »恩人の汚名雪ぎ、百年後に顕彰
「恩人の汚名を雪ぎたい」――サンパウロ州スザノ市のバルエル教会100年祭の開会式で24日、ビアンキ家に感謝状を渡した福博村会(上野ジョルジ会長)の大浦文雄顧問(92、香川県)の心の裡には、冒頭のような強い想いがあった▼というのも、東大の泉靖一助教授(当時)らによる研究書『移民―ブラジル移民の実態調査』(古今書院、1953年)に ...
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