史上稀に見る大型贈収賄事件「ラヴァ・ジャット」騒動の最中、10月7日に行われた総選挙は、ブラジル近未来を左右する重要な選挙だった。それにしても、欧米のメディアが選挙結果を大々的に報じているのに反し、日本のメディアでは殆ど話題にもなっていないようだ。日系人約200万人が在住し、親しい国であるブラジルのニュースが、そして、日系ブラ ...
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「樹海」拡大版=ボルソナロという虚像=デジタル空間に移った選挙活動の主戦場
今選挙の特徴の一つは、前回までは道端にあふれていた候補者のサンチーニョ(ビラ)を配ったり、候補者の応援旗を振ったりする人がほぼいなかった点だ。にも関わらず、「ボルソナロ効果」が起きて、政治地図が大激変した。これが意味するのは、「宣伝活動の主戦場が道端という実際の空間から、インターネットやSNSというデジタル空間に完全に移行した ...
続きを読む »なぜシロは健闘し、アウキミンは惨敗したのか
大統領選はジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)とフェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)という、世界中が「危険」と目する極右候補と、汚職で凋落したかつての長期政権の再挑戦という対決になっていることは本紙でも何度も報じていることだ。だが、今回ここではあえて、この対決以外から伺える、今回の選挙の特徴を見ていくことにしたい ...
続きを読む »《ブラジル》13州の知事は既に確定=サンパウロやリオは予想外の展開
7日の投票で知事が決まったのは13州で、残り13州と連邦直轄区では決選投票が行われると8日付現地紙が報じた。 知事確定は、アクレ、アラゴアス、バイア、セアラー、エスピリトサント、ゴイアス、マラニョン、マット・グロッソ、パライバ、ペルナンブコ、ピアウイ、パラナ、トカンチンスの各州で、内訳は、社会党(PSB)と労働者党(PT)各 ...
続きを読む »統一選サンパウロ州=戦後初、コロニア関連が全員落選=飯星、太田、安倍氏ら涙呑む=パラナ州では西森氏当選
大統領、知事、連邦上下院、州議会議員を選出する統一選挙の投開票が7日に行われ、サンパウロ州の日系社会と関係を持つ連邦下議、州議が全員落選するという悲しい事態となった。ただし、コロニアを基盤としない候補は当選しており、日系社会の弱体化を印象付ける結果となった。なお、パラナ州では西森ルイス氏(PR=共和党)が今回も当選を決めている ...
続きを読む »「樹海」拡大版=何が〃救世主〃ボルソナロを生んだのか?=国民が持つ既成大政党に対する絶望感、PT政権復活への恐怖、大不況による経済的切迫感
「絶望感から来る救世主願望」――ボルソナロ(PSL)が大統領選の一次投票で46%を獲得、ダントツ1位になった勝因を一言で表せば、そうなるのではないか。これは「既成大政党への絶望感」「相互嫌悪の連鎖」「PT復権への恐怖」「長引く戦後最悪不況への経済的な切迫感」などが背景にある。ただし、決選投票でPTのハダジ候補(今回29%)が勝 ...
続きを読む »〝女性の権利〟を叫ぶことがPT支持なのか?
9月最後の週末の動向で、大統領選が極右候補のジャイール・ボルソナロ氏に大いに有利に働いた。追う労働者党(PT)のフェルナンド・ハダジ氏には悪いことが重なり、肝心の支持率は停滞し、逆に拒絶率は45%を誇るボルソナロ氏に一気に近づいた▼ただ、ハダジ氏が今回不利になった要因のひとつとしてあげられているものの中に、コラム子がどうしても ...
続きを読む »混乱選挙における日系候補の役割=「倫理」が重要、よく考えて投票を!=法律専門家 原田清
現在進行中の選挙ほど、困った選挙は今までほとんどなかった。 選挙日程が正式発表されるよりはるか以前から主流メディアは、資金洗浄などの汚職で有罪判決を受けた囚人(編注=ルーラ)を〃大統領選立候補者〃扱いした。報道の本来の役割を忘れたこの行いにより、彼は話題の中心人物となりえた。 (選挙が始まる大分前からの)支持率〃調査〃によ ...
続きを読む »《ブラジル》パロッシの供述の一部公に=「ルーラはペトロブラスの不正知っていた」=「選挙費用は申告の4倍」=ハダジには大きな痛手に
パラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事は1日、ルーラ、ジウマ両氏の労働者党(PT)政権の重要閣僚だった、アントニオ・パロッシ氏のラヴァ・ジャット(LJ)作戦での報奨付証言(デラソン)の一部公開を認めた。これにより、「ルーラ氏は2007年からペトロブラス(PB)の汚職計画を知っていた」「10、14年のジウマ氏の大統領選キャンペーン ...
続きを読む »「樹海」拡大版=大統領選の候補陣営を隔てる〃バカの壁〃
「人間同士が理解しあうというのは根本的には不可能である。理解できない相手を、人は互いにバカだと思う」――ベストセラー『バカの壁』(2003年、養老孟司著、新潮社)には、そう書かれている。帯には「『話せば分かる』なんて大ウソ!」、広告には「バカの壁は誰にでもある」という著者の言葉も。 人には「知っている」という強い思い込みがあ ...
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