祖母も起き出しておくどさんに火を燃やしている。ゴーゴーとコーヒー豆を挽く音がする。やがて祖母は大きなカネッカにコーヒーを注いで持ってきてくれる。 七月の朝寒に飲む熱いコーヒーは香りも高く何ともいえぬ旨さだ。 馬を曳き出して鞍を置き荷物をとり付けていると、蹄の音が聞こえてきた。 私はオーバーを着、祖母に「行ってきます」と声をかけ ...
続きを読む »コーヒー 関連記事
462歳のサンパウロ=元市民が恋する名物食は?
25日はサンパウロ創立462周年だったが、同日付アゴラ紙は、サンパウロ市出身者で市外、あるいは他州へ引っ越した元市民に、「サンパウロの何を恋しく感じるか」を聞いてみた。 それによると、目立った答えは「24時間眠らない町」であることと、「食の豊かさ」だった。 サンパウロは世界でも有数なほどナイトライフに恵まれた町で、それは雑誌「 ...
続きを読む »チエテ移住地の思い出=藤田 朝壽=(9)
(3)梱包の歌集は日の目を見た 昭和十九年の七月某日の午過ぎであった。私は運搬業をしているK君から一通の封書を受け取った。 開封してみると「あなたの望んでいる品が一昨夜着いた。直ぐ来い」とだけ書いてある。ペレイラ・バレットス市の「鈴蘭商会」の奥さん(北海道出身・今泉氏)からである。来た!本当に来たのだ。夢ではない。私の胸は ...
続きを読む »おばあ茶ん=気鋭の紅茶師が来伯指導=紅茶フェス優勝の後藤さん=レジストロに手揉み伝授
この年末年始、〃コーヒー王国〃の片隅で、日伯の紅茶交流がひそかに行われていた。かつての〃紅茶の都〃の茶業再興を願う島田梅エリザベッチさん(本名=梅子、89、二世)と、昨年の第4回紅茶フェスティバル(愛知県尾張旭市)でグランプリを獲得した後藤潤吏(ひろさと)さん(30、愛知県)だ。後藤さんはレジストロにある梅さんの生産所を去年1 ...
続きを読む »ニッケイ俳壇(872)=星野瞳 選
アリアンサ 新津 稚鴎髭の美男長靴の美女シュラスコに 鳥雲に浮足立って出稼ぎに 混血の貰ひ子なつきクリスマス アマゾンの蘭元日の卓上に 移住地に風鈴と住み六十年【稚鴎さんは十九才の時、単身でモンテビデオ丸に乗りサントスに上陸し、直ちにアリアンサに入植して今日まで一歩も出ず、自分の天地を作り上げた。そこには地 ...
続きを読む »穀物生産で新記録更新=今年も昨年比0・5%増か
ブラジル地理統計院(IBGE)が12日、2015年の穀物生産量は2014年を7・7%上回る2億950万トンだったと発表した。IBGEでは、今年の生産量も昨年比0・5%増の2億1070万トンと予想している。 実際のところ、12日に発表された数字は、11月に発表された予想を74万6千トン下回っているが、それでも生産量は新記録を更新 ...
続きを読む »日伯の日系社会が相互支援の時代へ
昨年12月24日付朝日新聞が《町の生活保護受給者、外国人が3割超=群馬・大泉》と報道し、ネット上で「ブラジルへ帰れ」との声が上がっていると本紙7面で報じられた▼日本人自体に「中高年フリーター」(35歳以上になっても定職につけない者)が急増して社会問題化している中、多額の税金を失業外国人に使っているとの批判はムリもない▼ブラジル ...
続きを読む »カサパーバで環境教育=草の根で専門家が指導
サンパウロ州小学校教員の環境教育指導力の向上を図るため、12月6日から約10日間、公益財団法人「しまね国際センター」の有馬毅一郎理事長らが滞伯し、サンパウロ州カサパーバ市で現地小学校の教員を対象に、環境教育の研修を行なった。 この事業は昨年8月、JICAの「草の根技術協力事業」に採用されたもの。3年かけて専門家によるモデル授業 ...
続きを読む »ニッケイ歌壇(503)=上妻博彦 選
サンパウロ 武田知子
家元ゆ新代表の派遣とて茶道の普及多岐にわたれば
伯栄庵せましとばかり参加せる和服はなやぐ絹ずれのして
お茶席に供する菓子も家元に学び帰伯のブラジル娘
宗旦忌偲ぶ茶会の進むうち懐石供す汗たりながら
茶懐石日本さながら今日一と日堪能せしと客笑顔にて
山本喜誉司賞=野田、天谷、水谷3氏に栄誉=創設50年祝いポ語記念誌も
農業分野の功労者を顕彰する『第45回山本喜誉司賞』の授与式が11月27日夜、文協貴賓室で行なわれた。トマトの品種改良に貢献したアマゾナス州マナウス在住の野田博さん(72)、サンパウロ州レジストロの天谷良吾さん(61)、ライゼングループ副社長の水谷イサムさん(56、ともに二世)3氏が栄誉に浴した。 サンパウロ州ポンペイア生まれの ...
続きを読む »