その時に、これまでの経緯をすべて打ち明け、銀行に預かっているお金も当てにならないのでこの土地とパストに居る牛を入金として、3年払いの所を4年払いにしていただくように交渉を進めていただきたいと切に願った。 すると、「期待に副うべく、皆さんの事情を説明してみます。それが出来ぬ様だっただったら、こちらも飯の食い上げで、この商売をやめ ...
続きを読む »コーヒー 関連記事
祖父岸総理に匹敵する日伯振興を
1959年7月24日午前8時、岸信介総理がリオに到着した。JK大統領を訪ね、前年の三笠宮ご夫妻訪伯の際の厚意に御礼を言うと、大統領はカフェジンニョを勧め、「日本でのコーヒー普及ぶりは? ぜひ日本国民に愛飲していただきたい」と尋ねた。総理は「残念ながらお茶の方が盛んですが、私のようなコーヒー党が追々に増えることでしょう」などと和 ...
続きを読む »コーヒー収穫量9%減か=年初に襲った乾燥の影響
アラビカ種のコーヒー生産・輸出では世界一のブラジルだが、ミナス・ジェライス州にある国内最大のコーヒー農家組合Cooxupeのコーヒーの収穫量が今年は410万袋(1袋60キロ)となる見込みで、今年年初に予想されていた600万袋を30%下回る結果となりそうだ。420万袋だった昨年と比べると、2・3%減だった。 カルロス・パウリーノ ...
続きを読む »大統領と日本移民の友情=松原家に伝わる安太郎伝=(4)=「彼の鍬は普通の2倍ある」=渡伯20年後には大農場主に
1918年7月末から約50日間に渡って日本では米騒動が起き、全国に波及した。松原の故郷和歌山県では、民衆を扇動した罪で二人が死刑判決を受けるなど荒れた世情があった。それを受け、食糧難にあえぐ日本政府は盛んにブラジル移住を奨励していた。祐子さんはそんな状況が松原の決断を後押しし、「ブラジルに行き、そこで人生を送ると決めた」のだと ...
続きを読む »連載小説=子供移民の半生記=家族みんなで分かちあった=異郷の地での苦しみと喜び=中野文雄=31
ありがたい心尽くしだ。しかし、資金も無いので今年一年ぐらいは日雇で仕事をしてお金を貯める計画だった。それで余り乗り気ではなかった。 そんなある日、旧パトロンの三坂さんがいい話を持ち込んできた。ドゥアルチーナ管内から30キロ程離れた所の耕地が、老人一人の管理で充分に行き届かないから手放したいとの事。息子がいるが親に関心がないらし ...
続きを読む »連載小説=子供移民の半生記=家族みんなで分かちあった=異郷の地での苦しみと喜び=中野文雄=30
積もる話もあるのでと家に誘われ、好意に甘えて植田さんのお宅へ向かった。程なく話を耳にしたという方々が2、3人訪れ、我々が無事にドゥアルチーナに帰ってきたことを心底喜んで下さった。でも油断は出来ない。ここでも日本語での長話は出来ないらしい。その後も3人、4人と、親父の知り合いが尋ねて来られ、日本人の変わらぬ人情には泣かされた。 ...
続きを読む »ブラジルのコーヒー事情
ブラジルといえばコーヒー! サッカーやサンバカーニバルと並び、ブラジルーと聞いて思い浮かぶもののひとつでしょう。私もブラジルに来て美味しいコーヒーにたくさん出会いました。サンパウロ中心地から1時間半程車で走ったところにある南米最大の港町サントスには、コーヒー博物館もあります。 コーヒーが有名なブラジルで、ブラジル流コーヒーの楽 ...
続きを読む »連載小説=子供移民の半生記=家族みんなで分かちあった=異郷の地での苦しみと喜び=中野文雄=22
そのときに隣のイタリア系の人からある申出があった。早急には買い手は見つからないだろうから、いま飼っている牛馬の世話といくらかの借地料で土地を貸して貰えないだろうかとの話しだった。それも、自分は20年近くそこに住んでおり、人様に信用してもらっているので、確認を取ってから返事をしてくれとの事だった。あの状態の中では地獄に仏の話だっ ...
続きを読む »連載小説=子供移民の半生記=家族みんなで分かちあった=異郷の地での苦しみと喜び=中野文雄=21
ドゥアルチーナとグラリヤを繋ぐその道路上に沿って電線があったが、個人用には許されていなく、50メートル程しか離れていない電線の下でランプ生活という不合理が罷り通っていた時代だった。 町の電気のきらめきを眺めながらの生活は確かに辛かったが、何年も電気のない生活を強いられていたせいか、それ程苦でもなく、それより今の住宅の状態、果物 ...
続きを読む »連載小説=子供移民の半生記=家族みんなで分かちあった=異郷の地での苦しみと喜び=中野文雄=20
兄貴も20センチ位のを1匹釣っていたが、為仁さんの話が効きすぎて足元に気をとられ、釣りどころではなかったようようだ。それから一晩中焚き火にほてりながら皆が帰るのを待っていたが、よほど面白いのか、なかなか帰ってこない。待つことしばし、呼び声がするので川辺に下りていった。何と、大小30匹位の魚の山。大した腕前だ。兄貴が6、7匹釣っ ...
続きを読む »