そこで、コーチの長い話は終わった。 私は初めて、コーチが相当な教養ある男だと判断して、いつかゆっくり話し合いたいと考えた。 すると、コーチが続けた。「船長、日本では、船長は海軍将校ですね。それなら、日本軍部が何を考えているが、ご存じでしょう。宣告は明日かも知れませんよ」 私は呆気にとられた。 彼は日本の総ての船舶の長が海軍将校 ...
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屈辱の7対1を乗り越えて=なるかサッカー王国復権=監督ドゥンガにかかる重責
64年ぶりの自国開催のサッカーワールドカップで、通算6度目の優勝を至上命題として挑んだブラジル代表(セレソン)だったが、無残にも準決勝でドイツに記録的大差の7対1で敗れ、その夢はついえた。新年に続々と控える公式戦に向けて、新生カナリヤ軍団の行方、かじ取りを予想してみた。 時に傲慢ともとれる程の強烈な自負心を持って対戦相手を粉砕 ...
続きを読む »チチャレンカ号同船者会=日本からの参加者も=18日
1957年5年14日にサントスに到着したチチャレンカ号の『第4回同船者会』が18日正午から、カラオケレストラン「HIKARU(光)」(Rua Sao Valentim, 65, Vila Nova Manchester、電話=11・2225・1466)である。参加費80レアル。 今回は、現在千葉県に在住の同船者の出席も予定して ...
続きを読む »年始行楽最終日に大渋滞=乗じて強盗を働く者も
4日、年末年始の休みをサンパウロ州沿岸部で過ごした行楽客の車が、サンパウロ市への帰りの道で大渋滞を起こし、一部ではそれに乗じて強盗を働く者もあらわれたと5日付の伯字各紙が報じている。 4日午前、イミグランテス高速道路をサンパウロ市方面に向かう途中で渋滞に巻き込まれていた車がサンパウロ州沿岸部、プライア・グランデ市とサンヴィセン ...
続きを読む »東西南北
今年は1月の3、4日が土、日だったこともあり、クリスマスから長めの休日をサンパウロ州海岸部で過ごしたサンパウロ市民も多かったが、その分、犯罪も少なくなかった。12月31日にはサンパウロ市北部ジャラグアー在住の自営業者マルコ・アントニオ・セーラ・カシャーダさん(51)がプライア・グランデのギリェルミーナ海岸で首を銃で撃たれ、死亡 ...
続きを読む »サンパウロ州北部海岸=クリスマスに襲った豪雨=浸水と通行止め引き起こす
夏の観光シーズン只中の23、24日にサンパウロ州北部海岸を襲った大雨が、当地住民や観光施設、幹線道路が甚大な損害を与えたと25、26日付伯字各紙が報じている。 サンパウロ州北部海岸のサンセバスチアンを襲った集中豪雨は大洪水やゴミの漂着などを招き、住民達や観光客が泊まるホテルが孤立。リオ・サントス高速道路では土砂崩れや道路の陥没 ...
続きを読む »パナマを越えて=本間剛夫=5
そのあと、ふと、部屋に漂う異臭に気づいた。かすかな硫黄の匂いが鼻を突いた。その時、パーサーが入って来て、二冊の旅券を船長に渡した。船長はそれを開いて丹念にページをめくった。「福田さん、これは日本とブラジルの旅券です。航海中に事件が起きたら、日本旅券を捨てて、ブラジルの方を身につけて下さいよ。敏捷に」 私は船長の言葉が呑み込めず ...
続きを読む »パナマを越えて=本間剛夫=3
「つらいから、見送りませんよ」という夫妻が、早く帰ってね、と繰り返した。車が走り出しても二人が手を振ってるのが見えた。 大通りは、もう車の列だ。車が桟橋に入ると遥か突端に、日の丸を掲げた黒い貨物船が見えた。 タラップを上ったところにボーイが立っていて、私を船長室へ案内した。 そこに日本人の紳士がいて、一人の眼が、すごく鋭かった ...
続きを読む »パナマを越えて=本間剛夫=2
なかには永住の覚悟で大農場の農夫として汗を流している知人、友人が、グループを組んで戦争に参加するというニュースを邦字新聞で知らされると、自分は卑怯者ではないかと強くさいなまれたが、それでも固く瞼を閉じて耐えた。 翌年、満十九歳になったとき、私は在外の男子に許されている三十七歳までの徴兵延期願いをサンパウロ市駐在の日本総領事宛に ...
続きを読む »東西南北
サンパウロ州海岸部へ向う高速道に、ここ2カ月間で87機の監視用レーダーが取り付けられた。1年前は16機のみだったが、これまでは皆無だったリオ~サントスとタモイオス、オズワルド・クルズにそれぞれ、38機と17機、2機が新設されたのをはじめ、パードレ・マノエル・ダ・ノブレガに26機、モジ~ベルチオガに3機増設された。「運転手にはく ...
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