第1章苦いコーヒー ガラスもなくカーテンもない裸の窓からは、朝日がサンサンと差しこんでいた。風もないのに歩くたびに埃がまいあがり、その日もまた朝から暑い夏の一日になることが予想された。一九三八年一月は、農家にとっては日照りが心配される年だった。もう日照りが二十二日間もつづき、まっ青に晴れわたった空には、天気が変わる兆しもない。天 ...
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サンパウロ州=1~4月の水泥棒が4割増加=水量計の不正操作で課金逃れる
サンパウロ水道公社(Sabesp)が、今年最初の4カ月間で水泥棒が7419件発生し、昨年同期比で41%増加したと発表した。 同社によると、水泥棒は1日あたり61件発生しており、その多くは一般住居でのものだった。 違反の多くは水量計の不正で、課金を免れて不正に利用された水の量は10億リットル以上と見られている。この量は人口11万 ...
続きを読む »リオ五輪=ジカ懸念の研究者が延期要請=解決にならぬとWHO回答
ジカ熱拡大を懸念し、世界各国の医師や科学者が27日、世界保健機関(WHO)にリオ五輪の開催地変更か延期を求めたが、WHOは翌日、延期は問題を解決しないと回答したと28日付伯字各紙サイトが報じた。 ハーバード大学など権威ある研究機関の医師ら150人以上が署名した書簡では、ブラジルの蚊撲滅運動不成功と脆弱な保健医療体制故に、リオ訪 ...
続きを読む »東西南北
29日、サンパウロ市パウリスタ大通りで、毎年恒例のゲイ・パレードが行われた。今年は通算20回目という節目となる年で、数多くの同性愛者や女装者が行進に参加。見学者も含め、実に多くの人が同大通りに繰り出した。参加者は、主催者側の発表では300万人というが、軍警発表では19万人となっている。また、先週末のヴィラーダ・クウツラルに続い ...
続きを読む »県連会議=期待される日本側注力の取組み=日本祭り準備いよいよ大詰め=会場工事完了、黒字予測に
いよいよ目前に迫ってきた日本祭り(7月8~10日)――。ブラジル日本都道府県人会連合会(山田康夫会長)の「5月度代表者会議」が25日、文協ビル同会議室内で行われ、第19回日本祭り、県連創立50周年記念式典に関する議題などの報告が行われた。赤字額27万9千レアルと見込まれていた予算については、遅れに遅れていた「連邦政府のルアネー ...
続きを読む »大耳小耳
サンパウロ日伯援護協会のリベルダーデ医療センターは、5月に無料でインフルエンザ予防接種を実施する予定だったが、ワクチン不足のため「中止」となった。各地で流行したため、援協にワクチンが届かず、「延期」が発表されていた。同医療センターの渡辺ワシントンさんによると、日伯友好病院にあったワクチンもすでに在庫が無いという。寒暖の差が激し ...
続きを読む »聖体祭恒例のタペッテ=色とりどりのおがくずで作る
ブラジルではキリスト教絡みの祝日も少なくなく、5月26日も「聖体祭」の休日だった。この日は毎年、全国の至るところで、磔にされたイエス・キリストやマリア像などを描いた色とりどりのタペッテ(カーペット)が登場し、国民の目をひきつけている。 タペッテは、色々な色をつけたおがくずや花びら、砂などで構成され、聖体祭の祭りにあわせた行列が ...
続きを読む »著名ピアニストが初公演=小曽根真さん、1日サンパウロ市で
著名な日本人ジャズピアニストの小曽根真さんが、来月1日午後9時からサンパウロ市のサーラ・サンパウロ(Praca Julio Prestes, 16 – Campos Eliseos)で、ブラジル初めてとなるピアノコンサートを行なう。小児青少年ガン協会(TUCCA)による『治療のための音楽―国際コンサート―』に招聘さ ...
続きを読む »東洋街から全世界同時発信?!=サムスン電子、五輪用CM撮影=謎に包まれた撮影現場を覗く
謎につつまれた撮影現場――。普段はあまりさえない(失礼!)、もとい、大衆的な日系レストラン「乾杯」が17日、テレビCM撮影の舞台として使用され、なんとその日だけ『将棋世界』と店名を改めた。サンパウロ市リベルダーデ区グロリア街、ちょうど弊紙の斜め向かいだ。 現場にいたブラジル人スタッフ数人に聞いたところ、なんでも「サムスン電子が ...
続きを読む »自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(9)
午前七時になった。移民船ぶらじる丸最後の朝食となった。日本的な雰囲気はこれが最後か。あと一時間で新天地、ブラジルの国土に踏み出す事となる。 朝食後は、自分の身の回り品を下船に備えねばならぬ。昨夜の内に済ませてはおいた、手荷物すべてを持って看板に整列した。その頃、ウルグァイ、アルゼンチンに行かれる同船者との別れも。再会の機会が果 ...
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