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連載小説=臣民=――正輝、バンザイ――=保久原淳次ジョージ・原作=中田みちよ・古川恵子共訳=(66)
房子がはやく家族や近所の人たちになじめるよう心を配った。幾三郎との破談は彼らに動揺を与えたばかりでなく、房子にも先のことは全く予想もつかない。配偶者と生活をともにするためにきたのに、その主人がいない
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連載小説=臣民=――正輝、バンザイ――=保久原淳次ジョージ・原作=中田みちよ・古川恵子共訳= (65)
房子はルス駅のこちら側には何の興味もしめさなかった。そこで、こんどは反対側の色とりどりのネオンが輝く中心地に向って歩き出した。そこにはまだ大勢の人がいた。郊外電車を利用する労働者はルス駅で降り、駅の
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連載小説=臣民=――正輝、バンザイ――=保久原淳次ジョージ・原作=中田みちよ・古川恵子共訳= (64)
ところがその結婚に問題が生じていた。そのことを妹に知らせるため、樽は自らサントスまで迎えにきたのだった。挨拶がすむと、本題に入った。 回りくどい話しはせず、事実だけを伝えた。幾三郎は
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連載小説=臣民=――正輝、バンザイ――=保久原淳次ジョージ・原作=中田みちよ・古川恵子共訳= (63)
神戸からの出港光景もちがっていた。1918年、保久原正輝を乗せた若狭丸が出港したときの、家族離別の暗さがなかった。房子が出発したときはまるでお祭りのような雰囲気だった。家族や友人は船中のキャビンまで
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連載小説=臣民=――正輝、バンザイ――=保久原淳次ジョージ・原作=中田みちよ・古川恵子共訳= (62)
一方、房子のほうは渡航に必要な書類を手にすることは容易ではなかった。 まず、結婚するための書類を用意するのに、何度もの手紙のやり取りが必要だった。当時は郵便事情がわるくものすごく時間がかかった。そ
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連載小説=臣民=――正輝、バンザイ――=保久原淳次ジョージ・原作=中田みちよ・古川恵子共訳=(61)
なぜなら、村には何人ものカマグワァーがいて、他の場所の者との間でまちがいがおきる。そこで、名前の前に名字をつけるようにした。二人を間違えないよう、フサコや親類の者たちは母をイイムイカマ
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ブルマジーニョの鉱滓流入=フランシスコ川の水質悪化
「世界水の日」の22日、SOSマッタ・アトランチカ財団が、大西洋岸森林(マッタ・アトランチカ)内の220河川の水質を調べた結果、1月25日にミナス州ブルマジーニョで起きたダム決壊で流出した鉱滓が、サ
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サンティアゴ会議=反マドゥーロの新同盟発足=ロシアが空軍機2機を送る=ブラジルによるピノチェト独裁賞賛にチリは憤慨
【既報関連】チリ首都サンティアゴで22日、混乱の度を深めるベネズエラ情勢についての対策を話し合う、南米諸国首脳会議が開催された。 23日付ブラジル紙によると、同会議には議長国チリの他、ブラジル、ア
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ミナス州=ブルマジーニョから2カ月=新たなダム決壊の危機迫る
1月25日にミナス州ブルマジーニョで起きた鉱滓ダム決壊事故から丸2カ月が過ぎ、身元が確認できた死者の数が214人に増え、不明者の数が91人に減った一方、新たなダム決壊の危機に直面し、緊急対策を迫られ
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《サンパウロ市東部》ファヴェーラで火災、1人死亡 混乱の最中に軍警が暴行?
23日、サンパウロ市東部のファヴェーラ(スラム街)で火災が発生し、住民1人が死亡する事故が起きた。同地は不法占拠地帯で、24日に予定された強制退去に反対する住民が抗議行動を起こし、軍警ともめたという