エスタジオ・ベイラ・リオ (Foto: Gabriel Heusi/ Portal da Copa/ME)
Foto: Gabriel Heusi/ Portal da Copa/ME

ポルト・アレグレ

ニッケイ新聞 2014年5月28日

【試合開催日(全て6月)】
■15日午後4時、フランス対オランダ■18日午後1時、オーストラリア対オランダ■22日午後4時、韓国対アルジェリア■25日午後1時、ナイジェリア対アルゼンチン。

 ブラジルで最も寒い町の一つ、ポルト・アレグレ。年間の平均気温は13・2度だから、W杯中の冬にこの町を訪れるならコート、手袋、ニット帽、スカーフなどは欠かせない。
 この町で体を温めるのに最適なのが、シマロン(Chimarrão)と呼ばれるマテ茶だ。ひょうたんのような形の器にストローを差して飲むというスタイルで、ブラジルの多くの飲み物とは異なり、砂糖が入っていない。南米の南部の国の文化を特徴付けるもので、現在もリオ・グランデ・ド・スル州を中心にブラジル南部、中西部、ボリビア、チリ、アルゼンチン、パラグァイ、ウルグァイなどの国で親しまれている。
 ヨーロッパ移民の子孫が多いポルト・アレグレは町そのものも美しいが、州北東部に位置するセーラ・ガウーシャ(山岳地帯)にも足を延ばしてみたい。その中にあるグラマード(Gramado)という町は、毎年8月には映画祭が行われる国内でも人気の観光地。建築物や食べ物の中に、ドイツやイタリアなどの移民がもたらした影響が色濃く根付いている。
 そんなポルト・アレグレを3日で存分に楽しむコースを紹介したい。

■1日目
 まずは、市観光局(SMTUR)が実施するシティーツアーに参加してみたい。
 2階建てのバスには、3ヶ国語(ポルトガル語、英語、スペイン語)で説明を聞けるヘッドフォンが備えられている。市内の主な観光地を回り、町の歴史も知ることができる。
 歴史地区と市の南部を回るツアーで一人18レアル(土日は20レアル)で、ターミナルはTravessa do Carmo,84 – Cidade Baixa)にある。情報を得られる場所はこのサイト(www.portoalegre.travel/site/info_servicos.php?idIndice=1&bitPesquisa=1)で紹介されているのでチェックしてみよう。
 タクシーやレンタカーで回りたい…という人もいるかもしれないが、その場合は駐車する場所が問題になるので、バスをお勧めしたい。
 市民の憩いの場で、ポルト・アレグレ市内で最も古く人気のある公園「Parque Farroupilha」にはぜひ行ってみたい。Redençãoという名で知られているこの公園では、シマロンを木陰で飲む多くのポルト・アレグレンセ(ポルト・アレグレ市民)の姿を見かけるのではないだろうか。日曜日には有名な「Brique da Redenção」という蚤の市も出る。
 市の文化財にも指定された立派な公共市場(Mercado Publico)は、昨年7月の火災で残念ながら改修中だ。ただ、その中にあるレストラン「Gambrinus」(www.gambrinus.com.br)は営業している。1889年にオープン、市内でも最も古い伝統的なこのレストランでは、日替わりで毎日3~4種類のランチメニューをそろえている。
 午後は、文化の香りを楽しみたい。アルファンデガ広場(Praça da Alfândega)にあるSantander Cultural(サンタンデール銀行文化センター、HP=www.santander.com.br/portal/wps/script/templates/GCMRequest.do?page=6876)か、Casa de Cultura Mário Quintana(マリオ・キンターナ文化の家、HP=www.ccmq.com.br/)に行ってみよう。どちらに行っても、カルチャーのプログラムが充実しているはずだ。
 ちなみにマリオ・キンターナとは近代主義期に活躍したポルト・アレグレ出身の有名な詩人だ。
 夕方は、グァイーバ湖に沈む夕陽を見に、かつての汽力発電所Usina do Gasômetro(住所=Avenida Presidente João Goulart, 551)に足を運んでみよう。
 夜は、下町(Cidade Baixa)へ。バーのparaphernalia(HP=paraphernalia.com.br/)ではブラジル音楽が聴け、パブのDirty Old Man(HP=www.dirtyoldman.com.br/)では、アメリカ人作家で詩人のチャールズ・ブコウスキーの作品世界をモチーフにしたような退廃的な雰囲気が味わえる。

■2日目
 2日目はタクシーに乗って、市内でも中心から少し離れた場所に足を延ばそう。カトリック大学科学技術博物館(Museu de Ciência e Tecnologia da PUC、HP=www.pucrs.br/mct/)は、南米でも有数の自然科学博物館で、宇宙、地球、環境、人類など幅広い分野で、興味深い展示を見ることができる。
 昼食は、この地方では欠かせない肉料理のシュラスコを。お勧めのレストランはChurrascaria Galpão Criolo(HP=www.churrascariagalpaocrioulo.com.br/en)。20種類の肉が食べ放題だ。
 午後は、もう一つ市内のミュージアムに行ってみたい。Fundação Iberê Camargo(HP=www.iberecamargo.org.br/site/default.aspx)は白のスタイリッシュな外観。4階建てで、ポルト・アレグレ出身の画家イベレ・カマルゴ(1914―1994)の約5千点以上の作品が収蔵されている。
 その後はMoinho de Ventoという高所得者層が住む地区で、公園に行ったりショッピング(www.moinhosshopping.com.br/)で休憩してもいい。夕食にはフェルナンド・ゴメス通り(Rua Fernando Gomes)か、パドレ・シャーガス通り(Rua Padre Chagas)にあるレストランがお勧めだ。
 お酒が好きな人は、ワインバーのVinum(HP=vinumenoteca.wix.com/vinum)をのぞいてみるのもいいかも。

■3日目
 3日目は、ポルト・アレグレを出てセーラ・ガウーシャ(Serra Gaucha)に出かけよう。代表的な観光地グラマードへは2時間ほどなので、日帰りで行ける(市のHP=www.gramado.rs.gov.br/)。高速バスが午前6時から出ているので、前もって時間を調べ、チケットも購入しておきたい。バス会社はCitral(www.citral.tur.br/)。


 1日グラマードを満喫するなら、理想的には午前10時には着いていたい。まずはセントロ(中心部)に行って、コーヒーの美味しいお店でブランチタイムにしよう。Torre Café Colonial(HP=torrecafecolonial.com.br/)で出されるブランチは、ワインやジュース、コーヒー、ケーキ、タルト、パン、サンドイッチ、ソーセージ、デザート各種…。午前中に食べるにしてはとても豪華だが、これでしめて一人55レアル。お昼ごはんはパスしてでも食べてみたい?
 セントロには、ドイツ風の美しい土壁の建物がたくさん。都会的な雰囲気で、おしゃれなお店が並ぶコベルタ通り(Rua Coberta)も魅力的だ。コベルタ通りの目の前には、ブラジルとラテンアメリカの作品を上映するグラマード映画祭(毎年8月掲載)の舞台となっているPalácio dos Festivaisが構えている。
 毎週金、土、日の夜(午後8時半)には映画の上映が行われており、1、2、7月だと毎日あるので、チェックしてみたい(www.gramadosite.com.br/hotsite/palaciodosfestivais)。映画を上映しない時間帯は、中に入れないので注意。
 子供連れの人は、Parque do Lago Negroという公園やミニムンド(Minimundo、HP=www.minimundo.com.br/minimundo/)という施設がお勧め。ミニムンドは、160のミニチュアで〃小さな世界〃を作り上げたテーマパークで、色々なアトラクションが楽しめる。
 グラマードで夕食を食べて帰るなら、フォンデュ料理がおいしいGasthof Edelweiss(HP=restauranteedelweiss.com.br/)、鶏料理のCasa di Paolo(HP=www.casadipaolo.com.br/2012/main.php)がお勧めだ。人気の観光地なので、できればお店は予約していきたい。
 もし時間があるなら、もう少し足を延ばして隣町のCanelaにも行ってみたい。同じく人気の観光地だ。

参考サイト

ポルト・アレグレの観光サイト
http://www.portoalegre.travel/site/home.php

ポルト・アレグレの市のサイト
http://www2.portoalegre.rs.gov.br/portal_pmpa_novo/

グラマードの情報サイト
http://www.gramado.onde.ir/guia/rua-coberta
http://www.gramadosite.com.br/hotsite/ruacoberta

Canelaの情報サイト
http://www.canelaturismo.com.br/