1月8日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙七日】一日からブラジル連邦警察(以後、連警)が米国人だけを対象に実施している顔写真および指紋の登録の件で、リオ州連警は六日、最高七時間以上の待ち時間を短縮するために登録手続きを変更した。在ブラジル米大使館は五日、「リオ国際空港の入国管理事務所では、最高九時間も待たされた米国人観光客もいた」とブラジル政府に抗議していた。
リオ連警は、サンパウロ州の国際空港ですでに実施している指紋押捺(おうなつ)方法を採用。これまでは十指すべての指紋を取っていたが、六日から親指だけの指紋のみを登録している。また、顔写真を撮影する職員数も増加。十二歳以下の子供の登録も取りやめた。待ち時間は最高二時間、平均二十分とだいぶ早くなった。
連警の米国人対象の登録義務付けは、J・S・シウヴァ連邦判事の命令で実行に移された。米国がビザを取得して入国する外国人に対して五日から運用している新入国管理制度への報復とされる。
リオ市に続いて連邦政府も、同判事の命令を無効にするよう申し立てる姿勢を示した。政府は対米関係を配慮しており、この問題が司法権の外交干渉への扉を開くことになりかねないと懸念している。
ブラジル観光公社(Embratur)は、二〇〇二年にブラジルを訪れた約六十四万人の米国人のうち、四四%が観光目的で入国したと報告。リオはその六〇%が訪問したという人気観光地である。二月下旬のリオのカーニバルへの米国人観光客が半減するのではないかと心配している。
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