2005年12月06日(火)
(5)リオデジャネイロ
◇1◇ アマゾンから船と飛行機で、マナウス、ブラジリア、サンパウロ経由でリオデジャネイロに行く。九月十七日の早朝に出発、六時ごろ到着。ほぼ一日がかりである。船、飛行機とも満席であり、乗っている間は、寝ているか景色も含めて内外をみているだけである。
船で、ブラジルの高名な男優と一緒になったが、彼もよく寝ていた。ひたすら口を開けて寝ており、その姿はただのアンチャンで幻滅的である。
●アクターの寝姿見れば 興もさめ
ブラジルの国内線のスチュワーデスは若くて美人が多い。ラテン系が多く、やや面長で、職業上髪をアップにしているため、おでこがやや目立つ。この顔かたちのスチュワーデスがにっこりするとなんとなくピラニアの顔に似ているような気がした。
ピラニアとは、先住民の言葉で悪魔の魚という意味であるそうだが、よくよく見れば、おでこで、笑っているような目つきであり、結構美人顔のように思える。同じ印象の美人が機内で何人もはたらいていた。
●ピラニアも よくよく見れば美人顔
●スチュワーデス ピラニア顔が多くおり
ようやく、リオデジャネイロについた。今夜は寝るだけである。
◇2◇ 九月十八日。今日も、天気はあまりよくない。朝食後ベテランのガイド氏と連れ立って市内観光に行く。天気がよくないため、コルコバードの丘はガスがかかっており、ポン・デ・アスカールで街を概観したあとで、青空市場にいく。
丁度日曜日であり、運よく開かれていたのである。野菜、果物、魚介類、花など、品物の豊かさに驚く。魚介類はこの近辺で水揚げされたもの。野菜類はサンパウロ州から運んでくるが、日本人農家が作っているものが多く、ブラジルの農業における日本人の貢献度は非常に高い。野菜もさることながら花卉の栽培も盛んなようで菊も出荷されていた。
●緑野菜 青空市場に満ち溢れ
コルコバード丘のキリスト像は行くたびに違った顔を見せてくれるということであるが、ガスのコルコバードにいく。このキリスト像はその大きさは、高さ三十メートル、両手の長さ二十八メートルという巨大なもので、それが標高七百十メートルの丘のガスのなかにぼんやりと見える姿はなんとも神秘性がある。
◇3◇ 帰途、サンボドロモと呼ばれるリオのカーニバルの会場を見学した。普段は学校として機能している建物であるが、カーニバルの期間は八百メートルの張り出し舞台がつくられ、延面積は八万五千平方メートル、収容数は八万八千五百名規模、と説明されても日曜のこのあたりは殺風景この上ないところである。
リオのカーニバルは、歴史は古く、低い身分とされ抑えられている人々の夢の実現や憂さ晴らしを原流の一つとしているが、三五年からは公式パレードが行われるようになり、その後、州政府の強力なバックアップもあり、世界の三大祭りのひとつに数えられている。雇用の向上を含め、経済効果も大きい。
テレビ、写真でみるパレードは、あでやかで豪華である。会場内に観光客用に衣装屋が出ていたが、そこに並んだ豪華衣装を身にまとってみたら、大きく重い。小柄な我々にはしっくり合わなかった。
●豪華さと重さに驚く 衣装かな
●カーニバル 踊る陰には雇用策
◇4◇ 夜、九時開演のサンバ・ショーを見に出かける。 抜群のプロポーションの踊り子のサンバを見ながらブラジル人の情熱と明るさを実感し、カーニバルの一端を垣間見た気がした。
◇5◇ 私たちが宿泊したホテルは、コパカバーナビーチに面していた。世界有数のビーチであるが、時期的な面から人出は少なく、近辺の住人がTシャツ短パン姿で散歩やジョギング、トレーニングをしているのが目立つ。やはり、この地区も治安が悪く、ビーチを散策するには水着で行かなければならないといわれ、ホテル近辺を歩くにとどめた。家内からはしきりに文句をいわれた。
(岡本弘昭さん通信、つづく)
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