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JICA青年ボランティア リレーエッセイ=最前線から=連載(11)=原 規子=西部アマゾン日伯協会=元気な西部アマゾン日伯協会

2005年9月11日(木)

 私がここに来てからいくつのイベントがあっただろうか。参加するだけのもの、準備から携わったもの、おおよそ十くらいある。カラオケ大会、絵画・漫画コンクール、コンサート、盆踊りと挙げていたらきりがない。
 そしてこの大半が半年のうちには終わってしまう。サンパウロにはかなわないかもしれないが、私は勝手にブラジルでも二番目くらいに大きいイベントをやっているのは西部アマゾン日伯協会だと思っている…。それくらい毎回楽しく参加させてもらっている。
 私は着任してすぐ参加したカラオケ大会が、とても大きいイベントだったことにとてもびっくりしてしまった。日本のお祭りさながらに駐車場には屋台が並び、ちょうちんが灯っている。そこにやきとりの香りが鼻先をくすぐり、ますます気持ちが浮き立ってくる。
 会館の外には中のようすがわかるように巨大スクリーンが掲げられており、みんなが外で食事をしながらでも楽しめるようになっている。そしてその会場の中には本格的な音響・照明機器。多くの日系企業のおかげで日伯協会の電機機器はとても充実している。
 ブラジル人、日系人、日本人が一同に会し、こうして日本の歌を楽しんでいる光景がとてもほのぼのとしていて心が安らいだ。
 今こうして元気な様子を見せている日伯協会だが、数年前はひっそりとしていたという。なかなか世代交代が行われず若者は日系社会から遠ざかっていた。マナウスには日系企業が多く進出していることもあり、ブラジル各地から職を求めて若い日系人がやってくる。そんな若い人たちこそ次世代の担い手であり、後継者である。
 そこで現在は若い人たちが中心となる青年部、その子供たちが中心の少年会ができ、日伯協会の管轄下で活躍している。このように若い世代の人たちが活躍できるようになったのも、現在の会長、理事の方々の大きな努力によるものと思われる。
 二世に任せることを不安に思う一世の人、一世のやり方がよく理解できない二世、それぞれに複雑な想いがあるかもしれないが、毎回のイベントを見ていて思うことはみんなが「協力」し合っている姿が、こんな言い方は失礼かもしれないが、とても家族的というかほほえましい。
 私はイベントに参加するたび、心地のよい和音を聴いているかのごとく気持ちが安らぎほんわかするのである。
   ◎   ◎
【職種】日本語教師
【出身地】岡山県苫田郡
【年齢】26歳

 ◇JICA青年ボランティア リレーエッセイ◇
JICA連載(10)=中江由美=ポルトヴェーリョ日系クラブ=「熱帯の中で暮らし始めて」
JICA連載(9)=中村茂生=バストス日系文化体育協会=「日本」が仲立ちの出会い
JICA連載(8)=加藤紘子=クイアバ・バルゼアグランデ日伯文化協会=日本が学ぶべきこと
JICA連載(7)=森川奈美=マリリア日系文化体育協会=「気づかなかった素晴らしさ」
JICA連載(6)=清水祐子=パラナ老人福祉和順会=私の家族―39人の宝もの
JICA連載(5)=東 万梨花=ブラジル=トメアス総合農業共同組合=アマゾンの田舎
JICA連載(4)=相澤紀子=ブラジル=日本語センター=語り継がれる移民史を
JICA連載(3)=中村茂生=バストス日系文化体育協=よさこい節の聞こえる町で
JICA連載(2)=原規子=西部アマゾン日伯協会=「きっかけに出会えた」
JICA連載(1)=関根 亮=リオ州日伯文化体育連盟=「日本が失ってしまった何か」