2006年3月16日(木)
私がコロニア・ピニャールに派遣されて早八力月が過ぎた。学校生活、私生活ともに慣れ、豊かな自然の中で、のびのびと活動をしている。いつも地域の方が野菜や果物を届けてくださり、新鮮な食材が私の冷蔵庫にそろっている。
最近では、葡萄の収穫の時期を迎え、たくさんのおいしい葡萄をいただいた。ここコロニア・ピニヤールは葡萄の生産地としてよく知られており、車でコロニア内を走ればブドウ畑にたわわに実った葡萄をたくさん目にすることができる。
葡萄は粒が大きく、とてもきれい。その上、とても甘くておいしい。
この時期、収穫、出荷だけでなく、年に一度開催される葡萄祭りもあり、コロニア内が年で一番忙しく活気付いている。この葡萄祭り、今年で第二十三回を迎え、今月九日から十二日まて行われた。
葡萄祭りでは、サンミゲル・アルカンジョ郡の葡萄の品評会が行われる。会場には、五種類約七百箱の葡萄が所狭しと並んでいた。どの葡萄も粒が大きく、輝いている。素人目には甲乙つけがたい。
また、六年前より野菜の品評会も行われており、見たこともないような形のメロンやきれいに形のそろつたきゅうりなどが陳列されていた。これらは最終日にせりにかけられる。葡萄、野菜は見事完売した。
そして、葡萄祭りを盛り上げるのに一役かったのが、コロニア・ピニャール
名物焼きそばである。青年会、婦人会、父兄会が協力して四日間お店を運営する。
この店では、やきそば、ギョウザ、お弁当、お饅頭などを売っており、四日連続、ほとんど休む間もなく朝から晩まで村の若者から年配の方までが働きつづける。そんな姿をみて手伝い始めた子どももいた。子どもはちゃんと大人の背中を見ている。そう実感した光景だった。
葡萄祭りも最終日ともなれば、顔に疲れが見え隠れしてくる。が、だれ一人弱音をはこうとしない。それどころか、「だいじようぶ?」「つかれたでしょ?」「かわろうか」とお互いをいたわる声ばかりが聞こえる。
私に対しても「明日授業あるのにだいじょうぶ?」「疲れてない?」と何度もかかったやさしい声。翌日仕事があるのは私だけではない。むしろ、そういっている人のほうが朝早く、同じように仕事もある。
それにもかかわらず、相手のことをいたわるそのやさしさに思わず胸が熱くなった。焼きそばは約三千食が見事完売した。村中が協力しあった葡萄祭り、今年も大盛況に幕を閉じた。
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【職種】日本語教師
【出身地】岐阜県瑞穂市
【年齢】26歳
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